コンテンツにスキップする
Subscriber Only

日本株が米国株より優勢にーパンデミック「中心地」がシフト

更新日時
  • 米S&P500種をTOPIXで割ったST倍率は1年ぶり低水準に
  • 新型インフルによる悪影響が伝播した時期の違い背景-BNYメロン

米国株に比べて長期アンダーパフォームしていた日本株が巻き戻しの動きをみせている。米S&P500種株価指数をTOPIXで割ったST倍率は先週以降に急低下し、1年ぶりの水準までTOPIX優勢方向に戻す場面が出ている。

  ST倍率は3月13日に2.14倍と、2000年以降で最高のS&P500優位を示した後に一転。18日以降は下落に加速がかかり、23日は1.73倍と2019年3月以来の低水準となった。24日時点では1.83倍となっている。

1年ぶりTOPIX優位方向の場面も

  BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史日本株式運用部長は「米国株に対して記録的な負け方をしていた日本株に巻き戻しが起きている」と語る。その背景として新型コロナウイルスによる経済への悪影響が表れた時期の違いがあるとし、「東アジアから始まった移動の制限などの対策が欧州を経て最後に到達したのが米国。東アジアから状況が良くなることが要因だ」とみる。中国湖北省政府は24日、武漢市の封鎖措置を4月8日に解除すると発表した。

新型コロナの感染状況についはこらをご覧ください

  ちばぎんアセットマネジメント調査部の奥村義弘氏は「日本株はPBR0.8倍台と過去最低ラインまで売られ、バリュエーションでは説明がつかない水準まで下げた。特に調整感が強い」と指摘する。日本株は来期の赤字は想定しない中、日本の景気後退入りや来期減益を織り込んだという。一方、S&P500のPBRは2.5倍。

  先週からST倍率が急速に低下するタイミングでは、日銀が上場投資信託(ETF)買いを積極化させた時期にも重なる。日銀は17日に1日の買入額としては過去最高の1204億円を買い入れたのに続き、さらにそれを上回る2004億円を19日、23日に買い入れた。

  日銀のETF買いが投資家に強烈に意識されていることが大きいとみるのは、大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジスト。「欧米がいまや新型ウイルス感染のパンデミックの中心地となっていることによる影響はある」としながらも、「日本株は売り方が売っても売っても需給面から株価は下がらず、チャート上の底練り状態。売っても儲からないとあって見直し買いを始める投資家が増えている」と言う。

  もっとも、日本株のアウトパフォームが長期化するとみる向きは少数派だ。大和証の石黒氏は「米国は稼ぐ力や企業の競争力が突出している。感染が終息に向かえば投資家は戻ってくる」とし、日本株の割安さを示すPBRの低さも元をたどれば株主資本利益率(ROE)の低さに起因すると指摘。「日本株のアウトパフォームは短期的な現象だろう」とみていた。

(ST倍率の最新数値を追記し、チャートを更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE