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投資会社ソフトバンクG、新型コロナ禍で不安増幅-上場来最大の下落

  • 保有株下落による損失と資金調達難という二重苦に陥る懸念
  • 「投資家との信頼関係を築けていなかった」と朝日ライフAM

新型コロナウイルス感染拡大を受けた世界的な株安の中、ソフトバンクグループへの不安が増幅している。19日の株価は1994年の上場後、最大の下落率となった。融資や社債によって資金を調達し「投資会社」として保有株から収益を上げてきた同社だが、今後は保有株下落による損失と資金調達難という二重苦に陥る懸念もある。

  朝日ライフアセットマネジメントの大芦尚広シニアファンドマネジャーは、株価の下落を受け「投資家の恐怖感が増幅している」と分析。ウィーワークの失敗もあり、「投資家との信頼関係を築けていなかったのではないか」と指摘した。

ソフトバンクグループ株の推移

  投資事業が主軸のソフトバンクGにとって、保有する複数の株式が同時に下落することは痛手だ。非上場会社の新規株式公開(IPO)による利益回収も不透明になる。ビジョン・ファンドは2019年7-9月期決算で、シェアオフィスのウィーワークなど投資先の公正価値減少を理由に約1兆円の営業赤字を計上していた。

  13日に発表した5000億円を上限とした自社株買いも裏目に出た。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは17日、健全性と格付けを重視した財務運営の意志に疑問が生じたとし、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。株価は引き下げの翌日から急落し、19日の終値は前日比17%安の2687円。2016年7月以来、4年ぶりの安値となった。

  ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真代表取締役は、「格付けがワンノッチ下がれば、メガバンクもこれまでのようにどんどん貸し付けるわけにはいかず、ソフトバンクの調達リスクも上がるだろう」との見方を示した。保有株の下落により「巨額の赤字を出し、帳簿上だが債務超過になる可能性は否定できない」とも指摘した。

SoftBank CEO Masayoshi Son Presents Third-Quarter Results

ソフトバンクグループの孫社長

  返済余力にも疑問が強まってきており、米国のダウ平均が一時2000ドル以上急落した9日以降、ソフトバンクGの社債保証コストを示すCDSは上昇基調を強めている。S&Pによる格付け見通しの引き下げもあり、19日時点では459.2と09年12月以来、およそ10年ぶりの高水準となった。

  孫正義社長は2月の決算会見では、自社の企業価値が実態よりも低く評価されているとの主張を繰り返していた。株価下落についてソフトバンクGの広報担当者はコメントを控えるとしている。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は「米国株が落ち着くまでは不安定な状況が続く」との見方を示す。現在の株価は「安いといえば安い」としつつ、ソフトバンクGの企業価値を測るのは難しく「割安かどうかが判断つかない」という。

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