ソフトバンクG株が17%安、上場来最大の下落率-保有株懸念続く
日向貴彦
ソフトバンクの孫正義社長
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloombergソフトバンクグループ株が下げ止まらず、終値で1994年の上場後、最大の下落率となった。海外株式市場の下落が続き、ビジョン・ファンドが投資する米配車サービスのウーバー・テクノロジーズは上場来安値を更新した。保有資産価値の低下が自社の株安に直結している。
19日の終値は前日比17%安の2687円だった。2016年7月以来、4年ぶりの安値。一時、20%安まで売られる場面もあった。

投資事業が主軸のソフトバンクGにとって、世界同時株安で投資先企業の株価が下落し、新規株式公開(IPO)による利益回収の先行きも不透明になっている状況は業績のマイナス要因だ。18日の米国株市場ではダウ工業株30種平均が3年ぶりに2万ドルを下回り、ウーバー株は22%安と大幅続落。ウーバーは2月中旬に付けた直近高値からおよそ3分の1の価値になっている。
一方、株式市場では安定的な業績が見込めるディフェンシブ業種に投資資金が逃避する動きが出ており、通信子会社のソフトバンク株はこの日も一時2.7%高と3日続伸。18日には初めて時価総額が親会社を上回り、その差は約1兆円にまでさらに拡大した。
2月の決算会見では、自社の企業価値が実態よりも低く評価されているとの主張を繰り返したソフトバンクGの孫正義社長。今月13日には5000億円を上限とした自社株買いの実施を決めたが、格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは健全性と格付けを重視した財務運営の意志に疑問が生じたとし、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げている。
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