コンテンツにスキップする

日銀のETF購入変更、「当面」頻度と額で拡大か-政策限界も

更新日時
  • 1回当たり買入額1200億-1500億円へ拡大の可能性-野村証・池田氏
  • 午前株価上昇でも買い入れなど頻度増加の思惑-みずほ証・三浦氏
A pedestrian is silhouetted while walking past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

A pedestrian is silhouetted while walking past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
A pedestrian is silhouetted while walking past the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行が上場投資信託(ETF)買い入れ目標額を引き上げたことで、株式市場では3カ月程度は買い入れの回数と金額の両面で積極的な買い支えを行うとの見方が出ている。

  日銀は16日、ETF買い入れ目標額の上限を従来の年間約6兆円から約12兆円に引き上げることを決定した。一方、声明文ではETFについて、原則的な買い入れ方針としては年6兆円ペース、買い入れ額は上下に変動しうるとの従来方針も同時に示した。

Bank of Japan Governor Haruhiko Kuroda News Conference As Central Bank Ramps Up Asset Buying, Holds Rates Steady After Fed Cut

記者会見する黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  黒田総裁は同日夕の会見で、「当面必要ある限り12兆円ペースで買う」と述べた。「当面」が意味する具体的な期間についての質問には明言を避けた。

  野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは、2018年8月以降の実質的な買い入れペースは4兆円だと推定。仮に非常時が同12兆円だとすると、平常時9カ月、非常時3カ月であれば年間6兆円と「原則的な買い入れペースと一致する」と分析。「当面」の期間は6月末までの約3カ月間が一つの候補として、今後は買い入れ頻度が明示的に増やされ、1回当たりの買入額も現在の1002億円から16日のJ-REIT(不動産投資信託)の買い入れ額が25%増額された経緯から1200億-1500億円へ引き上げられる可能性があると予想する。

  日銀会合翌日の17日の東京株式市場では、米国株急落を受けたTOPIXが前日に比べて一時3%安まで売られた後、切り返すなど底堅さを示した。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは「緊急対応後に1回あたりの金額を増やすことやTOPIXの午前終値がプラス圏でも買い入れを行うのではないかとの思惑がある」と語る。

  一方、ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは日銀が積極的な買い入れを行うとしながらも、基本的な買い入れ方針は年間6兆円を維持したことに着目。「年間買い入れめどを引き上げることは市場に対してアナウンスメント効果を高める点には利点があるが、出口戦略を一層困難にする」として、今回の決定会合で明らかになったことは「ETF買い入れペースを本質的に高めていくことは、日銀にとって相当ハードルが高いオプションということ」だと指摘した。

  今回の政策変更は「当面」という期間限定の需給期待であることは、16日の東京株市場の動きにも表れた。政策決定後の当初は上限の12兆円というアナウンスメント効果から株価上昇で反応したものの、原則的な買い入れ方針については変更がないことが認識されるとともに失望売りが強まった。三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミストは「現在の6兆円より買い入れ額は増えるのだろうが、市場としてはすっきりしない玉虫色の表現だ」とみていた。

好感が次第に失望に変わる
(第4段落に買い入れ金額の予想、最終段落にコメントを追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE