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事実上の米ゼロ金利政策、予想外の早さで再現-新型コロナ影響拡大で

  • 「金融政策の従来の手法がほぼ使い尽くされた現状」-フェルズ氏
  • 金融と財政の連携強化やQEでの購入対象拡大などのアイデアも

2008年に事実上のゼロ金利政策に踏み切った米金融当局者も、再びこの政策に訴えることになるまでには、たっぷり準備の時間があると考えていたことだろう。

  しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響の広がりを受けて、15日夜にその機会が突然訪れた。

  米金融当局は2週間で2回目となる緊急利下げで、主要政策金利を事実上のゼロ%に引き下げるとともに、多額の債券購入プログラムを発表した。過去最長の11年目にある米景気拡大をパンデミック(世界的な大流行)の打撃から守るさらなる取り組みだ。

FOMC、緊急追加利下げ-パウエル議長は財政政策訴え

Short-term rates head back to zero, long-term rates not far behind

  だが、米金融当局にはもはや最大限の雇用の確保や物価安定の実現という責務を果たすことができないのではないかという見方が、新型コロナ感染拡大の緊急事態の下で一段と強まった。

  09-15年にミネアポリス連銀総裁を務めたナラヤナ・コチャラコタ氏は米金融当局について、「必要なことをやるだけのの余力がない。その結果、金融政策が現時点でできることはあまりないということになるだろう」と語った。

  投資家がその代わりに注視しているのはホワイトハウスと議会であり、両者が企業と労働者のために財政刺激策を講じることができるかどうかだ。

President Trump Says He's Been Tested for Coronavirus After Exposure

記者会見で話すトランプ大統領(3月14日)

Photographer: Shawn Thew/EPA/Bloomberg

  米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のグローバルチーフ経済アドバイザー、 ヨアヒム・フェルズ氏は15日の米緊急利下げ後のリポートで、「既にトレンドとなっているが、金融政策において財政の考慮がさらに優勢になっていくだろう」と指摘。それはまさに「金融政策の従来の手法がほぼ使い尽くされた現状にあって必要とされるものだ」との認識を示した。

Federal Reserve Chairman Jerome Powell Holds News Conference After Rate Cut

記者会見したパウエルFRB議長(3月3日)

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  スタンリー・フィッシャー前連邦準備制度理事会(FRB)副議長は、金融と財政の連携を提唱する1人だ。フィッシャー氏は、米金融当局が一定の条件と明確な制限の下で、政府支出をファイナンスする提案を共同でまとめている。

Low inflation weighs more heavily on Fed now than in recent decades

  一方、米金融当局が過去の量的緩和(QE)で購入した政府機関の保証のある証券よりも広範囲の買い入れを認められるようにすべきだとする意見もある。ボストン連銀のローゼングレン総裁は6日、そのためには法改正が必要になるだろうとしつつも、こうしたアイデアに支持を表明した。

原題:The Fed’s Future Is Already Here as U.S. Joins Zero-Rate World(抜粋)

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