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賃上げ率7年ぶり2%割れ、新型コロナ感染拡大が重し-20年春闘

更新日時
  • 自動車・電機前年割れ、ベースアップは0.44%と7年連続実施
  • 要求できないご時世、交渉不振も仕方ないー大和証の岩下氏

新型コロナウイルス感染拡大に伴い企業経営への不透明感が強まる中、賃上げペースにブレーキがかかった。けん引役となってきた自動車や電機大手の賃上げペースが鈍化した。

  連合が14日発表した午前10時時点の第1回集計によると、2020年春闘での平均賃上げ率は1.91%と、前年同期の2.16%に比べ低下した。第1回集計の段階で2%を下回るのは13年以来7年ぶり。このうち毎月の基本給を引き上げるベースアップは0.44%と、前年の0.62%から低下した。ベア実施は統計公表開始の14年以降7年連続となった。

  神津里季生連合会長は同日の記者会見で、「要求との隔たりはあるものの、大きな流れを引き継いでいくということについては率直に受け止めたい」と指摘。さらに「新型コロナウイルスの問題が影響したとはみていない」と説明した。

  集中回答日の11日には、トヨタ自動車が20年春闘でベアを見送り、賃上げ総額を前年の妥結額を下回る一人当たり8600円で回答した。日産自動車やホンダも労働組合の要求を下回る回答にとどまり、次世代技術の開発に向けた競争や新型肺炎への懸念といった自動車業界の厳しい状況を反映する形となった。

  世界経済の減速に伴い、19年10-12月期の企業業績は2四半期連続の減収、3四半期連続の減益。消費増税や自然災害の影響も加わり、同期の国内総生産(GDP)は年率7.1%のマイナス成長となった。さらに新型コロナ感染拡大で、国内景気や企業業績のさらなる悪化が懸念されている。

  感染拡大の影響を受ける企業の資金繰りを支援するため、政府は新型コロナ緊急対策の第2弾を策定した。大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「足元こんなご時世なので、組合側はそもそも要求できない」と指摘。要求したとしても「賃金交渉が不振であっても仕方のないタイミングだ」と述べた。

  一方、人手不足が課題となっている小売りや外食の加盟するUAゼンセンの集計によると、12日時点の正社員113組合の平均賃上げ率は2.49%と、前年から0.21ポイント上昇。また短時間労働者(パートタイマー)73組合の平均賃上げ率は3.29%と、前年から0.32ポイント上昇。5年連続でパートタイマーの伸び率は、正社員を上回った。

(3パラ目に会見コメント、最終段落に詳細を加えました)
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