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新型コロナで東京五輪中止の可能性も、今後の選択肢は-QuickTake

世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、五輪が第2次世界大戦後では初めて中止となる可能性が出てきた。国際オリンピック委員会(IOC)と日本はなお、予定通り7月24日から東京五輪を開催する方針を維持している。しかし、パンデミック(世界的大流行)の宣言が出たことで、選手や観客、関係者らを一つの都市に集結させるリスクの高まりは一段と明白になりつつある。

五輪中止の可能性は?

  五輪は過去に中止されたことがある。東京五輪の中止は関係者や選手、スポンサー企業にとって最も好ましくない選択肢だ。しかし、新型コロナ感染拡大に収束の兆しが見えなければ中止される可能性はある。そうなれば、世界大戦以外の理由で五輪が中止される初のケースとなる。夏季五輪は1916年、40年、44年に、冬季五輪は40年、44年にそれぞれ中止された。日本は五輪に向け推計260億ドル(約2兆7000億円)を投じており、SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストはリポートで、中止されれば国内総生産(GDP)が1.4%程度押し下げられると試算した。

他の選択肢は?

  無観客開催など選択肢は幾つかある。世界保健機関(WHO)は先週、複数の国際競技団体の医療担当者と電話会議を行い、東京五輪を無観客で実施する可能性について協議したと米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が6日報じた。観戦チケット約780万枚のうち約448万枚は、新型コロナの感染拡大前に既に販売されている。こうした無観客開催は前例がないが、ここ数週間、欧州のサッカーリーグや日本の大相撲など主要なスポーツイベントで実施されている。

Olympics Logos as Japan Minister Says Tokyo Games Postponement 'Inconceivable'

日本オリンピックミュージアムにある五輪シンボル(東京都)

無観客開催ならどうなる?

  無観客の会場で競技したことのある一部の選手は、静かな会場では士気も上がらないと述べている。米NBCなどのメディアグループ企業には、視聴者が興ざめしないか懸念は大きい。昨年開催されたラグビーワールドカップ日本大会では184万枚のチケットが売れて客席の99.3%が埋まるなど、日本で開催される大型スポーツイベントの盛況が示された。ただ、収入源としての観客の重要性は低下しつつある。1996年のアトランタ五輪ではチケット収入は予算の25%を占めたが、東京五輪ではその半分だ。

延期の可能性は?

  五輪を予定通り7月に開始できず、無観客開催も不可能となれば、延期が最良の選択肢となりそうだ。IOCは、7月の東京での猛暑を懸念しマラソンと競歩の開催地を札幌に変更した。1964年の東京五輪は10月に開幕した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之理事は、今夏開催を断念する場合、最も現実的な選択肢は1年か2年の延期になるだろうと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで発言した。そうなれば、出場予定だった選手が延期後の五輪に出場できない可能性が出てくるかもしれない。

Lighting Ceremony Of The Olympic Flame

東京五輪の聖火リレーでトーチを持つ元女子マラソン金メダリストの野口みずきさん(12日、ギリシャ・オリンピアで)

Photographer: Milos Bicanski/Getty Images

原題:Will Coronavirus Take Out the 2020 Tokyo Olympics?: QuickTake(抜粋)

  

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