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トランプ大統領、欧州から米国への渡航を30日間大幅制限-国民に演説

更新日時
  • 米国内の集団感染の多くは欧州からの渡航者によるものだと非難
  • 直近2週間に欧州26カ国に滞在歴ある外国人の大半の入国停止-政府

トランプ米大統領は11日夜(日本時間12日午前)、新型コロナウイルス感染拡大への対応を巡り国民に向けて演説を行い、欧州から米国への渡航を向こう30日間大幅に制限すると表明した。

  これはトランプ政権が打ち出した新型コロナ対策の中で最も広範囲な措置となる。渡航制限の対象に英国は含まれない。

  トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室から行った演説で、欧州からの渡航制限は13日深夜から施行されると説明した。大統領は新型コロナを「外国のウイルス」と呼んだ。

  大統領は「これは金融危機ではない。一時的な状況にすぎず、国家として、また世界全体としてわれわれは克服するだろう」と語った。

  トランプ大統領は欧州連合(EU)が中国からの渡航を感染拡大の早い段階で制限しなかったことを批判する一方、早期に入国禁止に踏み切った自身の判断により米国内の感染者数は抑えられていると自賛した。

  「EUは米国と同じ予防措置を取らず、中国など感染者が多い国からの渡航制限をしなかった」とし、米国内の新たな集団感染の多くは欧州からの渡航者が引き起こしたものだと非難した。

  米国土安全保障省のウルフ長官代行は大統領の演説後に出した声明で、域内の移動の自由を定めた「シェンゲン協定」が適用される欧州26カ国に直近2週間に滞在歴がある外国人の大半の入国を停止すると説明した。

  ただ、渡航制限は合法的永住者や、米国市民の近親者には適用されないとした。また欧州から帰国する米国市民は特定の空港でスクリーニングを受けることになるという。

  トランプ大統領は演説で、欧州からの渡航制限は「膨大な量の貿易と貨物だけでなく、他のさまざまなモノにも適用される」だろうと発言したが、その後、ホワイトハウスの当局者は制限の対象になるのは人だけであり、モノは対象ではないと釈明した。

  演説に反応して市場が急落する中、トランプ大統領もその後、「モノは対象にならない」とツイートした。演説では制限の範囲についても、欧州から米国への全ての渡航と誤って述べていた。

  戦略国際問題研究所(CSIS)グローバル・ヘルス・ポリシー・センターのスティーブン・モリソン所長はトランプ大統領が発表した渡航制限について、「私はかなり驚いている」とした上で、「これが解決策になるという発想をみると、米国への感染を防ぐチャンスがまだあるとわれわれは思ってしまうが、既に米国内に入り込んでいるという現実を無視している」と論評した。

  このほかトランプ大統領は演説で議会に対し、在宅を余儀なくされた場合、生活が困窮する恐れがある時間給労働者の病欠を有給休暇扱いする救済措置を実現するよう求めた。下院民主党は12日に採決する予定の包括案に同措置を既に盛り込んでいる。

  大統領はまた、新型コロナによって打撃を受けている一部の個人と法人を対象に税金の納付期限を延長すると表明。これにより、国内経済に2000億ドル(約20兆7000億円)の流動性が追加供給されることになると説明した。

  トランプ大統領は中小企業局(SBA)に対し、新型コロナの影響を受けた企業に緊急資金を提供するよう指示するとも発言。大統領の災害宣言の対象となる分野の中小企業は、業績が回復するまでの運転資金として最大200万ドルの連邦融資を受けられる。

  大統領はさらに、議会に対し、経済への影響と相場急落を和らげるため、給与税減免案を通過させるよう呼び掛けた。ただ提案の詳細は示さなかった。同案については民主党が反発している。

  

  

President Trump Addresses Nation From White House On Coronavirus

演説したトランプ大統領(3月11日)

原題:Trump Says He’s Restricting Travel From Europe for 30 Days(抜粋)

(大統領の発言を3段落目に加えて更新します)
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