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新型コロナ感染拡大なら緊急事態宣言可能に、特措法改正案を決定

更新日時
  • 資金繰り支援強で緊急対策も取りまとめへ-マスク転売禁止で政令
  • イベント自粛など対策効果の判定は19日ごろに-専門家会議副座長

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する事態に備え、政府は10日の閣議で、首相が緊急事態を宣言できるようにする新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を決定した。立憲民主党などの協力も得て国会での早期成立を目指しているが、同宣言を実際に発動するかどうかは慎重に判断する。

  安倍晋三首相は同日の政府与党連絡会議で、日本の状況について「感染拡大するのか収束できるかの瀬戸際にあって、現状においても依然として警戒を緩めることができない状態にある。今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期」と指摘。同改正案の国会提出は感染の急速な拡大といった「最悪の事態」の可能性に備えるためだと語った。

  新型インフル特措法では、首相が緊急事態を宣言すると、都道府県知事は住民の外出自粛のほか、学校や映画館などの施設使用制限・停止、臨時の医療施設を開設するための土地使用、医薬品や食品の売り渡しを民間などに要請できる。従わない場合で特に必要な時は、物資の収用など強制的な措置に踏み切ることも可能だ。

  菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で、「現時点においては直ちに緊急事態宣言を出すような状況にはないものと認識している」と語った。安倍首相も9日の参院予算委員会で、緊急事態宣言の発動は国民の私権を制約する可能性もあり、「どのような影響を及ぼすのかを十分に考慮しながら判断していきたい」との考えを示している。

  経済産業省によると、閣議ではインターネットなどを通じたマスクの高額転売を禁止するため、「国民生活安定緊急措置法施行令」を改正する政令も決定した。15日に施行され、違反者には罰則規定も設ける。

  政府はまた、同日夕には新型コロナウイルス感染症対策本部の会合も開き、企業の資金繰り支援などを柱とする緊急対応策の第2弾について取りまとめる方針。

安倍首相、企業の資金繰り「強力に支援」-10日に緊急対策第2弾

日本「一定程度持ちこたえている」

  参院予算委員会では10日、専門家会議の尾身茂副座長が出席して公聴会を開いた。尾身氏は日本国内の状況は諸外国と比べて「爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度持ちこたえているのではないか」との認識を示した。感染者数は増加傾向にあり、「依然として警戒を緩めることはできない」として医療体制の充実など対策強化を求めた。

  北海道での緊急事態宣言やイベント自粛、学校休校要請など対策の効果については、新規の感染者数の推移、1人がどれだけ感染をさせているかなどのデータを分析する必要があり、19日ごろに判定できるようになるとの見解も示した。

  今後の対策としては感染者の治療、診断に当たる医療機関や診療所を選定し、マスクをしっかりと供給するなど支援するよう求めた。一般市民に対しては、換気の悪い密閉空間、多くの人が密集、近距離で会話するなどの条件が重なるような場所での行動を避けるよう呼び掛けた。

  加藤勝信厚生労働相は閣議後の会見で、イベント自粛要請などを続けるかどうかについて、19日ごろの専門家会議の分析を踏まえ、判断したいと述べた。

  国内の感染状況の把握を巡って、ウイルスを検出するPCR検査の件数が少ないとの指摘があることについて加藤氏は、「どこの国もすべてを把握しているかと言えば、それはそうではない」と指摘。日本は他国と比べて死亡者数は大きく増えていない状況であるとの認識を示した。

  厚生労働省の9日夜の発表では、国内感染者は前日より26人増え、514人。また、神奈川県と東京都の患者が1人ずつ死亡していたことも分かり、死者は9人となった。このほかクルーズ船関連では7人が死亡している。

(安倍首相の政府与党連絡会議での発言を第2段落に追加し、更新しました)
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