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米経済対策期待でドル急上昇、株は午後上げ転換-長期金利は上昇

更新日時
  • ドル・円が105円台まで急反発-日本でも与党幹部が大規模補正示唆
  • 株式相場は3日ぶりに反発-朝方は4%超える下げ、午後に急反転

新型コロナウイルス感染拡大と原油安に見舞われた日本市場は10日、米経済対策への期待からドルが大幅に上昇した。実体経済への影響懸念から大幅に続落して始まった日本株も上昇に転じた。長期金利は上昇している。

  為替相場では一時1ドル=105円2銭までドル高が進行。上昇率は日中ベースで2.6%と日本銀行が追加緩和を決定した2014年10月末以来の大きさを記録した。米経済対策への期待からドルが買われる中、トランプ米大統領が給与税減税と新型コロナウイルスで打撃を受けた産業への「非常に大規模な救済措置」を目指すと述べたと伝わり、上げ幅が拡大した。日本でも自民党幹部がコロナ対策で10-20兆円規模の補正予算の必要性を示したとの一部報道でドル買いが加速した。

  日本株は午後の取引で上昇に転じた。TOPIXは前日比17.71ポイント(1.3%)高の1406.68、日経平均は同168円36銭(0.9%)高の1万9867円12銭で取引を終えて3日ぶりに反発した。金融危機以来の大幅米株安を受けた両指数は、午前に下落率が4%を超える場面があったが財政措置への期待から急反転した。

  日本の債券相場は大幅反落。長期国債先物中心限月の3月物は前日比93銭安の154円39銭と日中取引ベースの下落幅は2016年以来の大きさ。長期金利は一時マイナス0.03%と1カ月ぶりの水準まで上昇した。日本株の上昇転換や急激な円安進行に加えて、5年国債入札結果が不調となり、売りに拍車がかかった。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジストは、米緊急対策と新コロナウイルスの綱引きになっているとして「米コロナ対策が世界の景気後退を止める材料として好感され、いったんは世界同時株安の不安を和らげることになるだろう」と話した。

  為替相場を巡っては、あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長がコロナ感染拡大の悪影響に対して米政府の財政がいよいよ動いてくるとの期待からリスク回避の動きがやや緩んでいると述べた。コロナ関連ではスペインなどで感染者が急増、イタリアは全土を移動制限した。

財政出動

  三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは日本株上昇について、米国が財政政策実施の方針を示したことで、新型ウイルスの経済への悪影響を和らげる効果に期待が高まっていると話した。

  安倍晋三首相は10日の政府与党連絡会議で、新型コロナウイルスの影響で「世界経済の先行きに対する不透明感がある中で、金融市場においても神経質な動きがみられる」とし、「各国当局、日本銀行とも連携を密にしながら、必要とあらば、G7、G20の合意に沿って適切に対応していく」と述べた。

  日本銀行の黒田東彦総裁は同日午前の参院財政金融委員会で、感染拡大の影響が大きくなる可能性を十分認識すると述べるとともに、不確実性が大きいとの見解を示した。その上で、必要に応じて適切な対応を躊躇(ちゅうちょ)なくとるとの姿勢をあらためて示した。

(詳細を追加して更新します)
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