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ソフトバンクG出資のインプロバブルに試練、ゲーム開発業者が撤退

  • インプロバブルの技術使った少なくとも3つのゲームがサービス終了
  • 頻繁なアップデートが一因と関係者、CEOのワンマン体制も影響か

ソフトバンクグループが出資する英インプロバブル・ワールズの新たな技術を採用した「ワールズ・アドリフト」は他に類を見ないマルチプレーヤーゲームになるはずだった。ところが、開発業者のボッサ・スタジオズは昨年5月、同ゲームの開発を中止し、サービスを終了すると発表した。

  ロンドンを拠点とする仮想現実(VR)の新興企業インプロバブルの技術を使ったゲームのうち、ワールズ・アドリフトを含む少なくとも3つが昨年打ち切りになった。現実の世界に匹敵する複雑な仮想世界を開発業者が作り出せるようにすることでゲーム革命を目指した同社にとっては打撃だ。

  ゲームが失敗する理由はいろいろあるが、事情に詳しい関係者2人は、インプロバブルの頻繁なアップデートで開発業者が製品を完成させるよりもコードの修正により多くの時間を費やさなければならなくなることを一因に挙げた。

  約7年前に英ケンブリッジ大学の学生によって創設されたインプロバブルは不採算に陥っており、同社のプラットフォームで現在運営されているゲームは1つだけだ。

  リンクトインによれば、2018年以来、最高財務責任者(CFO)と最高法務責任者、人事担当バイスプレジデント、最高クリエイティブ責任者が同社を去った。

  退社した元幹部1人によると、共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のハーマン・ナルラ氏は人事から推進するプロジェクトの選択に至るまで、幹部らに自らの判断で決定する権限を与えなかった。同社と協力関係にあった複数の関係者が匿名で語ったところでは、ゲーム開発者は電話や会議でのナルラ氏の怒鳴り声に閉口していたという。

Key Speakers and Interviews From The Second Day At the Bloomberg New Economy Forum

ハーマン・ナルラ氏

撮影:岩部隆明/ブルームバーグ

  インプロバブルはその後、米ウォルト・ディズニーの元幹部を新CFOに起用し、他のスタジオ数社と協力して独自ゲームの開発に着手した。

  広報担当ダニエル・グリフィス氏は、ゲーム開発業者が試験期間後に商業発売をしないと決めるのは珍しいことではないと指摘。ナルラ氏が怒鳴ったり、細かいことまで口出しするとの疑惑については「根拠のないうわさ」だと述べた。また、社員の自発的な退社は、離職率の高いハイテク業界に合致した水準だと説明した。

  ソフトバンクグループ傘下のビジョン・ファンドは17年、インプロバブルへの5億200万ドル(現在の為替レートで約520億円)規模の出資を主導した。英国の会社登記所によれば、25-50%株を保有し、ナルラ氏と並ぶ2大株主の一角。

  ソフトバンクグループの投資は、18年の米ウォルマートへのフリップカート・オンライン・サービシズの株式売却など奏功した例もあるものの、ウィーワークが新規株式公開(IPO)を断念するなど最近は相次いで問題に見舞われている。ソフトバンクグループからのコメントは得られなかった。

Bossa Studios Location Shoot, London

ロンドンのボッサ・スタジオズのオフィス。

撮影:エッジマガジン/フューチャーパブリッシング

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「ワールズ・アドリフト」

出典:Improbable Worlds Ltd.

原題:
SoftBank-Backed Effort to Change Gaming Industry is Struggling(抜粋)

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