, コンテンツにスキップする
SUBSCRIBER ONLY

新型コロナ感染、肺にウイルス到達すれば命に関わる恐れ

  • 感染しても鼻・喉にとどまる限り咳が出る程度の症状
  • 重度への進行は非常に急速に起こり得る-WHO事務局長補

新型コロナウイルスに感染してもそれがと喉にとどまる限り、症状は咳(せき)が出る程度にすぎない。不運にも感染した人の大半はそれくらいで済む。危険はウイルスが肺に達したときに始まる。

  世界保健機関(WHO)と中国の合同調査チームが先月まとめた報告書によれば、感染した患者の7人に1人は呼吸困難になるなど重い合併症を起こし、6%が重症化する。軽度-中等度から重度への進行は「非常に急速に」起こり得ると、合同調査を共同で率いたWHOのブルース・エイルワード事務局長補は指摘した。

CHINA-HEALTH-VIRUS

湖北省の病院で肺のCT画像をチェックする医師(2月21日)

Photograper:Getty Images経由のAFP

  軽度-中等度の患者の約10-15%が重度に進行し、そのうち15-20%が重症化する。最もリスクが高い患者には60歳以上の人や、高血圧や糖尿病、心疾患などの持病がある人が含まれる。

  新型コロナ感染は通常、鼻で始まる。米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)でウイルス病原性・進化の研究部門を率いるジェフリー・タウベンバーガー氏によれば、ウイルスは体内に入った後、気道を保護する上皮細胞に侵入する。

  ウイルスが上気道にとどまれば、通常はそれほど重症化しない。ただ、肺組織まで下りていった場合、より深刻な段階に進む引き金となり得る。肺炎を引き起こすウイルスの直接的なダメージに加え、感染に対する体の免疫反応が二次的な損傷につながるためだ。

  スペイン風邪の研究で知られるタウベンバーガー氏は、「肺の損傷が起こると、人間の体は直ちにそれを修復しようとする」と指摘。比較的深刻な新型コロナ感染のケースでは、体の免疫反応があまりにも強すぎて、ウイルスに侵入された細胞だけではなく健康な組織も破壊してしまうことがある。その結果、肺が二次的な細菌感染に対し脆弱(ぜいじゃく)になるという。

  二次的な細菌感染は、組織の活性化を可能にする重要な気道の幹細胞を破壊し得るため、特に大きな脅威となる。この幹細胞なしでは「肺の修復は物理的に不可能」になるとタウベンバーガー氏は説明。酸素を取り込む器官である肺の損傷は腎臓や肝臓、脳、心臓などの機能を損なう恐れがある。

virus fallout inline

原題:
Coronavirus Nears Fatal ‘Tipping Point’ When Lungs Inflamed (1)(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE