コンテンツにスキップする

サウジとOPECプラス、見限ったロシア-衝撃走ったウィーンの会合

  • 減産は米国のシェール業界に「塩」を贈ることになるとロシアは判断
  • 「米を罰するためOPECプラスを犠牲にすることを決断」との見方

あいにくの雨だった先週末6日の朝、ロシアのノバク ・エネルギー相がウィーンの石油輸出国機構(OPEC)本部に入ったのは、午前10時16分だった。国際原油市場を混乱させるプーチン大統領の覚悟をノバク氏は承知していたはずだ。

  サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相に対し、ノバク氏は、減産強化に応じたくないロシア側の意向を伝えた。新型コロナウイルスの感染拡大がエネルギー需要に打撃を与えており、そこで価格を下支えすれば、米国のシェール業界に「塩」を贈ることになる。ロシア指導部はそう判断した。

  シェール業者が数百万バレルの原油を国際市場に供給する中で、ロシアの石油会社は生産能力を遊ばせることを余儀なくされた。今度は米国企業が苦痛を受ける番だ。

  ロシアは自国の戦略を明示したが、丁寧とはいえ実りのない5時間の協議の末、交渉は決裂し、原油価格は10%余り急落した。窮地に陥ったのはトレーダーだけではない。同席者の1人によれば、石油相らはかなりの衝撃を受けて言葉を失い、「通夜」のような雰囲気になったという。

  石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の枠組みは、サウジの新たな指導者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)との結び付きという外交政策上の成果もロシアにもたらした。

  ロシアの政府系シンクタンク、世界経済国際関係研究所のアレクサンドル・ディンキン氏は「クレムリンは米国のシェール生産業者の動きを抑え、ノルドストリーム2に干渉する米国を罰するため、OPECプラスを犠牲にする決定を行った」と分析した。

   ウィーンでの会合の同席者の1人によると、サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は他の石油相らに対し、真面目な話だと断り、全員がこの日の決定を悔やむだろうと重大な警告を発したという。

SAUDI-RUSSIA-DIPLOMACY

ロシアのプーチン大統領と会談するサウジのムハンマド皇太子(2019年10月14日、リヤド)

フォトグラファー:Alexey Nikolsky / AFP via Getty Images

Too Low

Oil price per barrel required for country to have a balanced budget

Source: JPMorgan

Note: No data for OPEC members Equatorial Guinea, Libya, Venezuela and OPEC+ members Brunei, Malaysia, Mexico, South Sudan and Sudan

Oil's Super Thursday at 177th OPEC Meeting

ロシアのノバク ・エネルギー相

写真家:Stefan Wermuth / Bloomberg

Breathing Space

Russia's budget is better prepared for lower oil than six years ago

Source: Nordea Bank

原題:Putin Dumps MBS to Start a War on America’s Shale Oil Industry(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE