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新型コロナでリスクオフ一色、株2万円割れ・円急騰-原油急落も

更新日時
  • TOPIXと日経平均株価は終値で5%超の下落に
  • 長期金利は一時マイナス0.20%と昨年10月以来の低水準

新型コロナウイルス感染拡大に原油急落が重なり、脆弱(ぜいじゃく)な世界経済が一段と悪化するとの懸念が浮上して9日の東京金融市場はリスクオフ一色の展開になった。

  株式相場は全面安。TOPIXは5.61%安、日経平均は5.07%安となり1年2カ月ぶりに終値で2万円を割り込んだ。ドル・円相場は大幅続落し、一時2016年11月以来の1ドル=101円57銭まで急落。原油安が資源国通貨や新興国通貨に波及し、クロス円中心に円高が加速している。債券相場は大幅高で、長期金利の指標とされる新発10年物国債利回りが一時マイナス0.20%と昨年10月以来の低水準まで下がった。

First Trading Day In Japan Following Golden Week Break

東京証券取引所

  コロナウイルスを巡って日本政府は今週中に新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案を国会に提出、早期に成立させる方針だ。感染が欧州で最も深刻なイタリアでは死者数が急増し、韓国を上回るペースとなっている。

  ここに石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が減産強化で合意に至らず、アジア時間9日早朝に国際原油価格が1991年の湾岸戦争以降で最も大幅に下げ、市場を取り巻く環境が深刻さを増している。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳チーフ・グローバル・マーケット・ストラテジストは、コロナ感染拡大に原油急落が加わったとして「日本株でパニック的にリスクを減らす動きが広がっている」と述べた。減産で再合意の可能性もあるが、今は原油価格がどこまで下がるか分からないということで、日本の投資家が株を売っているとしている。

政府も反応

  政府関係者からも急激な市場動向をけん制する発言が相次いだ。菅義偉官房長官は同日午前の会見で株安・円高が進んでいることについて「日々の動きについてコメントは差し控えるが、市場動向については十分な注視を行っている」と語った。その上で、日本経済にとってもまずは国内感染拡大の防止が最優先だとして、あらゆる措置を講じるとの姿勢を示した。

  午後には、麻生太郎財務相が急速に円高や株安が進んでいる市場動向について、「足元神経質な動きがあるような感じを受けている」と述べた上で、「しばらくよく見ておかないと1日で変わったりするので、慎重に見極めたい」との意向を示した。為替の協調介入の可能性に関しては「われわれはコメントすることはない」と述べた。国会内で記者団に語った

  財務省幹部も同日、同省内で記者団に対し、市場動向には神経質な動きが見られ、注視していくとし、主要7カ国(G7)各国とも協力していく考えを示した。

  日本銀行の黒田東彦総裁は参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症拡大により経済の先行きに対する不透明感が高まり、市場では投資家のセンチメントが悪化して不安定な動きが続いているとの認識を示した。その上で、新型コロナの影響と内外金融市場の動向を注視し、必要に応じて躊躇(ちゅうちょ)なく対応すると語った。

  金融庁、財務省、日銀は同日、国際金融資本市場に関し情報交換会合を開催。遠藤俊英金融庁長官、武内良樹財務官、前田栄治日銀理事らが出席した。武内財務官は会合後、急速に円高が進んでいる為替市場動向について「過度な変動は望ましくない」と述べた上で、「今まで以上に緊張感を持って注視する」と記者団に語った。

ドル・円急落、3年4カ月ぶり安値を更新
(市場動向を更新するとともに9段落目以降に日銀総裁のコメントなどを追加します)
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