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新型コロナで狂う中国「一帯一路」、労働者不足の影響じわり

  • 中国が国外で進めるインフラ建設や投資計画に遅れが生じている
  • 感染報告が少ない途上国は中国の顔色をうかがっているとの声も

中国の習近平国家主席が進める広域経済圏構想「一帯一路」はこれまで、同国の影響力を世界中に見せつけるための策と見なされてきた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、この構想がいかに同国からの問題の輸出につながるかを示している。

  感染拡大の影響で、中国が国外で進めるインフラ建設や投資計画には遅れが生じている。検疫措置によって中国人労働者は他国の建設現場に行けず、国外プロジェクトを担当する中国企業は深刻な労働力不足に直面している。中国人労働者が自覚症状のないまま新たな現場でウイルスをまき散らしかねないとの懸念も高まっている。

  新型コロナはすでに、総工費55億ドル(約5800憶円)のインドネシア高速鉄道計画など複数のプロジェクトに影響を与えている。

Construction and Development at the Port City Colombo Project

2018年、スリランカのコロンボポートシティ

写真家:Atul Loke / Bloomberg

  インドネシアのルフット調整相(海事・投資担当)は5日、一帯一路の旗艦プロジェクトであるジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道プロジェクトが遅延に直面しそうだと述べた。300人以上の労働者が中国で足止めされているという。

  隣のマレーシアでは、総工費104億ドルの東海岸鉄道の建設に従事している約200人の中国人労働者のうち、12人が新型コロナ発生地である武漢市の出身だ。彼らはマレーシアに再入国することが許されていない。

Daily Life In Wuhan During Lockdown

武漢の住宅地への出入りを制限するバリケード(3月4日)

写真家:ゲッティイメージズ

  スリランカでは、港湾都市コロンボの開発プロジェクトなどに中国が積極投資してきた。セイロン商工会議所の最近の調査によると、対象の100社のうち約半数が新型コロナの影響を受けていると回答した。

Island Impact

In China-reliant Sri Lanka, the virus has already disrupted numerous firms

Source: The Ceylon Chamber of Commerce

*Note: A recent survey of 100 companies asked how much revenue had declined as a result of the coronavirus outbreak

政治的圧力

  一方、一帯一路の参加国には政治的圧力もかかっている。フィッチ・ソリューションズは5日のリポートで、カンボジア、ラオス、ミャンマー、パキスタンなどの発展途上国は、中国を遠ざけるのを恐れて新型コロナ対応への積極的な取り組みに二の足を踏んでいる可能性があるとの見方を示した。

  「中国からの支援に大きく依存しているこれらの国々は、これまでに報告された感染症例がゼロもしくは少数にとどまる」とフィッチは指摘。ウイルス検査体制が不十分であることに加え、感染拡大への「過剰反応」で中国の反感を買うのを避けたいという思惑もありそうだとした。

Slower Expansion

China's outbound investment has fallen steeply in recent years

Source: China Global Investment Tracker from the American Enterprise Institute and the Heritage Foundation

*Note: Tracker measures investment and construction projects worth $100 million or more since 2005, and authors note their figures differ from China's official statistics

原題:
China’s Belt and Road Plan Is Getting Lashed by Coronavirus (1)(抜粋)

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