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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
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日銀の次の一手、目標額変更せずにETF買い入れ増額も-門間元理事

  • ETF買い入れ目標の増額不要、今でも必要に応じどんどん買える
  • コロナで売り上げ減の企業を支援、金融機関への低利融資もあり得る

日本銀行元理事の門間一夫みずほ総合研究所エグゼクティブエコノミストは、新型コロナウイルスの感染拡大で日本経済の先行き懸念が広がる中での日銀の次の一手について、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れを現在の目標額を変更することなく増やす措置などが考えられるとの見方を示した。

  門間氏は5日の電話インタビューで、日銀が現行マイナス0.1%の短期政策金利のさらなる引き下げやETF買い入れ目標額の引き上げなどを行う必要はないとし、2日の黒田東彦総裁の談話に沿って潤沢な資金供給や金融市場の安定確保に努めていく姿勢を示すことが重要と指摘した。

  日銀はすでにETF買い入れを年間約6兆円の保有残高増の目標に過度にこだわらず柔軟に実施している。門間氏は現状においても「ほとんど買わないこともできるし、青天井に買うこともできるため、6兆円という数字に意味はない」とし、「必要に応じてどんどん買えばいい」と語った。

  市場では、主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁による3日の共同声明や、直後の米連邦準備理事会(FRB)の緊急利下げを受け、日銀への追加緩和期待が高まっている。

  ブルームバーグが4日実施した緊急エコノミスト調査では、17人中11人が18、19日の次回定例金融政策決定会合かその前に、ETF買い入れ拡大など何らかの追加緩和措置を決めるとの見通しを示した。

緊急エコノミスト調査に関する記事はこちらをご覧ください

  門間氏は、日銀が「感染症の関係で売り上げが落ちた企業に貸し出しを継続する金融機関に対して低利で資金を供給する」仕組みを導入する可能性も指摘。日銀は現在、日本経済の成長に資する投融資を行う金融機関や貸し出し残高を増やした金融機関に低利かつ長期で資金供給を行っている。今回のケースがこうした制度の条件に「該当しない可能性もある」とし、「今のスキームでは拾えないところを、拾えるようにしてあげるということは論理的にはあり得る」と語った。

  門間氏は、今回の感染拡大の影響は「リーマンショックと違って既存のビジネスモデルが壊れた訳ではなく、地震と違って供給能力も破壊されていない」ため、「感染さえ収まれば経済が回復するシナリオは十分立てられる。物価上昇のモメンタムは失われていないという説明は日銀として十分可能」と指摘。「正攻法でやるべきことをやり、やるべきでないことをやらなければ、マーケットはある程度の時間軸で評価する」と語った。

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