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在宅勤務可能な米労働者、わずか29%-新型ウイルス拡散のリスクに

  • テレワーク不可能な低賃金の時間給労働者などは選択肢ほとんどない
  • 米国の飲食店やチェーン店は従業員をつなぎ留める必要
Some pedestrians wear masks in the China Town area of Queens, Jan. 29, 2020.
Some pedestrians wear masks in the China Town area of Queens, Jan. 29, 2020. Photographer: Chang W. Lee/The New York Times via Redux

新型コロナウイルスの感染が広がりつつある米国で企業は在宅勤務の対象を広げるかどうかや職場に行かないと給料が支払われない従業員の扱いをどうするかといった問題に取り組んでいる。

  米労働統計局(BLS)によると、米労働者1億4400万人のうち在宅勤務が可能なのは4200万人と、全体の29%にとどまる。残りの人たち、特に人種的なマイノリティーや低賃金の時間給労働者は選択肢がほとんどなく、福利厚生も充実していない傾向がある。米労働者の約4人に1人は有給休暇がなく、その割合は小売りや輸送などテレワークの選択肢がほぼない業界でさらに高くなる。

  さらに悪いことには、米国では有休の病気休暇が義務付けられていない。中国にはこうした制度があり、新型ウイルスの封じ込めで工場や小売りの実店舗を閉鎖した際も雇用主は労働者に大半の給料を支払うことを法律で求められた。

  米国の飲食店やチェーン店、宅配サービス会社は人手不足の中で、たとえ休業または営業を縮小しても従業員をつなぎ留める計画を策定しなければならない。ツイッターやJPモルガン・チェースのように在宅勤務を推奨する大企業が入居するオフィスビルの店舗やバー、飲食店はこうした企業の従業員が客の中心で、シフトの削減で対応する可能性がある。

  米企業は見直しの必要性に気付いている。企業にヘルスケアのソリューションやリスクについて助言するウィリス・タワーズ・ワトソンのヘルスケア慣行担当幹部ジェフ・レビン・シェルツ氏によると、先週調査した158社のうち約6割がテレワークの柔軟な運用を拡大したか、今後そうすると回答した。

  ただこうした措置も、アーカンソー州マルバーンのウォルマート店舗でパートタイムのレジ係として働くメンディ・ヒューズ(45)さんには助けにならないだろう。ヒューズさんは4人の子供がいるシングルマザーで、時給は12ドル(約1300円)未満。無給休暇を取る余裕はなく、有給休暇も限られていると語った。

  ヒューズさんも参加するウォルマート監視団体ユナイテッド・フォー・リスペクトは3日、多くの従業員はこうした事情から体調が悪くても出勤するとし、新型ウイルスの感染が拡大する中で従業員の体調不良時のルール見直しを同社に求めた。同社もパート従業員を含め有休の病気休暇を取る選択肢を与えると表明した。

  それでもヒューズさんは、症状があっても出勤せざるを得ないと考えている。「われわれの多くは何としても職場に行かざるを得ないだろう」と強調した。

原題:
Millions in U.S. Risk Virus Limbo; Only 29% Can Work Remotely(抜粋)

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