コンテンツにスキップする
Subscriber Only

JFEHD副社長、国内の鉄鋼生産体制を見直しへ-20年度中に具体策

  • 全設備に更新投資はできず、中長期の生産体制考えないといけいない
  • 中国鉄鋼メーカーが東南アジアに高炉建設すれば業界地図変わる

JFEホールディングスの寺畑雅史副社長は、国内製鉄所の生産体制を見直し、具体策を2020年度中にまとめる考えを示した。国内鉄鋼需要の減少やアジア市場へ拡大を図る中国勢との競争激化を見据え、効率化を進める。

  寺畑副社長は2日、ブルームバーグとのインタビューで「老朽化更新や修繕にお金をかけてきたが、今後も全地区で同様なことができるかというと問題がある」とした上で「中長期の最適な生産体制を考えないといけない」と述べた。判断時期については「そんなに時間はかけられない」として、4月に始まる新年度中に決定する考えだ。

JFE Steel Corp. Plant As Japan Seeks Tariff Exemption

JFEスチールの製鉄所

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  生産体制の前提となる国内全体の鉄鋼需要について、10年から20年先を見据えて社内で議論を進めている。寺畑副社長は人口減少による国内需要の縮小は避けられず、粗鋼生産も「長い目で見れば必ず落ちていく」と述べた。19年の国内粗鋼生産は前の年と比べて4.8%減の9928万トンと10年ぶりの1億トン割れとなった。

  国内最大手の日本製鉄は2月、子会社の日鉄日新製鋼の呉製鉄所(広島県呉市)の全面閉鎖や和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉一基の休止などを柱にした合理化策を策定。全体の粗鋼生産能力を約1割削減することを決めた。今期(20年3月期)の業績見通しについても、製鉄所の減損損失を計上することから4400億円の純損失となり、過去最大の赤字に陥る見通し。

  JFEHDでも今期の鉄鋼事業の連結事業損益をゼロと見込んでいる。米中貿易戦争による景気減速の影響で鉄鋼市況の低迷が続く一方、原料や資材費が高止まりする二重苦で、鉄鋼業を取り巻く経営環境は厳しさを増している。

  寺畑副社長は、金額ベースで4割強を占める輸出についても海外市場でのアジア勢との競争激化を警戒する。世界の粗鋼生産の過半を占める中国が今後、東南アジアなどへ海外展開を図り供給量を増やしていくと、同社の輸出競争力が失われる可能性を懸念する。

  「中国の鉄鋼メーカーが東南アジアに高炉を建てることになると業界の世界地図が大きく変わる」と述べ、JFEが「どういう立ち位置で、何をすべきか考えないといけない」との認識を示した。

  

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE