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日銀次回会合で景気判断引き下げ検討の公算大、新型コロナ拡大で

更新日時
  • 感染拡大防止策などで消費減は必至、インバウンドも落ち込み
  • 長期化なら物価モメンタムに影響、政策対応は慎重に判断

日本銀行は18、19日に開く次回の金融政策決定会合で、景気判断の下方修正を検討する公算が大きい。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済の先行き不透明感が強まる中、インバウンド(訪日外国人観光客)需要の減少や外出の自粛などによる消費低迷が避けられないためだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による3日の0.5%ポイントの緊急利下げ決定前に、複数の関係者が明らかにした。

  これまでの緩和策による副作用が積み上がっている現状では、景気判断の悪化自体は直ちに日銀の追加的緩和に結び付かないものの、円高進行が重なった場合には、日銀に追加緩和検討を迫る圧力となり得る。

  日銀では従来、日本経済について「海外経済の減速や自然災害などの影響から輸出・生産や企業マインド面に弱めの動きが見られる」としながらも、「所得から支出への前向きの循環メカニズムが働く下で、基調としては緩やかに拡大している」と判断してきた。

  ただ、消費税率引き上げによる駆け込み需要の反動減や自然災害などの影響で、昨年10-12月期に大幅なマイナス成長に落ち込んだ後も、新型コロナウイルスの感染拡大が大きな下押し要因として作用。発生源の中国をはじめとした世界経済の減速感が強まる中で、日本経済を支えてきた個人消費や設備投資など内需の動向にも不透明感が漂っている。

  特にインバウンド需要の減少に加え、政府が感染拡大を防止するため大規模なイベントの自粛や小中高校の臨時休校を要請したことで、消費の落ち込みは避けられない情勢だ。金融市場の不安定化に伴う企業・消費者心理への影響も懸念され、日銀は「緩やかに増加している」としている個人消費を中心に景気判断の引き下げを検討する可能性が大きい。

Central Banks in G-7 Countries

Traders are betting global central banks could cut rates this month

Source: Bloomberg

  日銀は現時点で新型コロナウイルスの感染拡大が短期的に収束に向かい、4、5月にかけて先送りされた需要が回復してくると見込んでいる。ただ、問題が長期化する場合は「前向きな循環メカニズム」に支障が生じ、2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)がき損する可能性が高まることになる。

  金融市場の不安定化を受け、黒田東彦日銀総裁は2日、「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」との異例の談話を公表した。

  主要7カ国(G7)の財務相と中央銀行総裁は3日の電話会議後の共同声明で、新型コロナウイルスが世界の成長に及ぼし得る影響を考慮し、力強く持続的な成長の達成と下振れリスクに備えるため、適切な政策手段を用いる意思があることを改めて表明した。日銀では、次回会合に向けてシナリオを再点検するとともに、政策対応の是非を慎重に見極める見通しだ。

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