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突然の休校要請、政府は「1日も早く学校閉める」を優先-各地に波紋

  • 法的拘束力なく、それぞれの地域で柔軟に判断してほしい-安倍首相
  • 千葉市長が「社会が崩壊しかねない」と困惑-休校見送りの自治体も
Novel coronavirus outbreak / Japan
Photographer: Noriaki Sasaki/Yomiuri Shimbun

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、安倍晋三首相が表明した全国の小中高校への突然の休校要請に全国で波紋が広がっている。政府は「1日も早く学校を閉める」ことを優先した判断としているが、自治体からは「社会が崩壊しかねない」と困惑の声も上がっている。 

  安倍首相は27日、全国の小中学校、高校や特別支援学校に3月2日から春休みに入るまでの臨時休校を要請することを表明。25日決定した基本方針では全国一斉の要請は盛り込まれていなかった。

  28日の国会では、野党側から全国一斉の要請に批判が出たが、首相は「法的拘束力を有するものではなく、最終的な判断は地方自治体や学校法人等において行われる」と指摘。「基本的考え方を示したものであり、柔軟に判断してほしい」との考えを示した。

  萩生田光一文科相は同日午後の記者会見で、休校について「政府の危機意識を共有してもらい、ご協力をひたすらお願いしたい」と改めて要請。既に独自の休校措置を取っている北海道を例に、一定の収束が確認できれば各自治体の判断で期限を切ることについては「決して否定するものではない」と説明した。

  全国一斉に要請した背景について萩生田氏は、患者がいない地域でも「明日そういうことが起こる可能性は決して否定できない」と指摘。共働きや一人親家庭への対応などについて方針を示した後に要請すれば混乱を避けることができたかもしれないが、「それよりも1日も早く学校を閉めて、子どもたちの安全を守る」ことを優先した判断だったと述べた。

  休校に伴い、「予算的な措置が将来的に必要なことについては関係各所で今大至急の詰めをしている」とも語った。臨時休業実施の期間や形態については、地方自治体の事情もあるので、「柔軟な対応をしてもらって結構だ」とした。

  政府の要請に対して、全国の自治体が緊急の対応を余儀なくされている。東京都世田谷区など3月2日から2週間の休校を表明する自治体がある一方、沖縄県石垣市は感染者がいないことや小中学校では公共交通機関を使って登校していないことから休校しないことを決定した。

  千葉市の熊谷俊人市長は自身のツイッターに、「医療関係者など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねません」と投稿。同市の小中学校は、3月3日から16日までを一斉休校とするが、保護者が対応できない場合には学校で少人数に分散して自習できるように体制を整える方針も打ち出した。

  全国の小中学校・高校などの臨時休校措置を受けて、企業側も対応を迫られている。損害保険ジャパン日本興亜は28日、出社が困難でコールセンター業務など物理的にテレワークができない子育て中の社員に有給の「特別休暇」を与えることを決定、全社員に通達した。日数の定めは設けていない。

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