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各国中銀にトレーダーが警鐘、新型ウイルスの打撃は一時的でない

  • 短期金融市場は新型ウイルス対応で数カ月以内の利下げ開始見込む
  • 経済のサプライサイドに打撃集中で利下げの効果に疑問符
Northern Italy In The Grip Of Covid-19 Coronavirus
Photographer: Marco Di Lauro/Getty Images Europe
Northern Italy In The Grip Of Covid-19 Coronavirus
Photographer: Marco Di Lauro/Getty Images Europe

投資家は新型コロナウイルスの感染拡大に中央銀行が静観姿勢を続けるとの見方を受け入れておらず、数カ月以内に利下げが開始されるとの観測を強めている。

  短期金融市場は米金融当局による今年4月から年内3回の利下げと、欧州中央銀行(ECB)による7月の1回の利下げ、イングランド銀行(英中銀)による8月利下げを織り込んでいる。

  ECBは他の中銀よりも厳しい立場にあり、状況が悪化した場合の弾薬には限りがある。ラガルド総裁らECB当局者は感染拡大の影響の見極めにもっと時間が必要との認識を示している。

Pressure Building

Traders in money markets are pricing an ECB rate cut this year

Source: Bloomberg

  しかし、米金融当局など政策対応の余地が比較的大きい中銀でさえも、経済のサプライサイドに打撃が集中しているため、金融政策対応が奏功するかどうか疑問は残る。

  ダンスケ銀行のチーフアナリスト、イェンス・ペーター・ソレンセン氏は「金融刺激策を行う上での問題は、ウイルスの影響に対する効果が限定的である点だ」と指摘。新型コロナウイルス「COVIDー19は人々の仕事を妨げ、サプライチェーンを混乱させており、イタリアには観光客が足を向けていない。金融政策はほとんど何もできない」と述べた。

  各国中銀は今のところ、経済的ダメージの影響を評価するには時期尚早だという認識のようだ。

  韓国銀行(中銀)の李柱烈総裁は現段階での適切な対応は、最も影響が深刻な企業にターゲットを絞った支援であり、広範囲な利下げではないと指摘。フランス銀行(中銀)のビルロワドガロー総裁は、新型ウイルス問題はサプライショックであり、 金融政策は正しい対応ではない可能性があると発言。シュナ-ベルECB理事は新型ウイルスの影響についてもっと明確にする必要があると述べ、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長が今週示した見解に同調した。 

  コーナーストーン・マクロのパートナー、 ロベルト・ペルリ氏は「当局は判断を急がず、当面は保留にしておきたいところだろう。3月は利下げせずに、状況悪化の場合に行動する用意があると明確にする声明を出す」公算が大きいと予想した。

原題:
Traders Send Warning to Central Banks That Virus Pain Is No Blip(抜粋)

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