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新型肺炎で中国への穏健な対応に逆風-難しい舵取り迫られる安倍首相

  • 安倍首相の対応はトランプ米政権より穏健、中国政府は高く評価
  • 新型ウイルス感染拡大で習国家主席の訪日計画に影響が出る可能性も
安倍晋三首相

安倍晋三首相

Photographer: STR/AFP

新型コロナウイルスの感染拡大への対応に追われる安倍晋三首相はやっと立て直した中国との関係がこじれる入る事態を何とか回避しているが、日本で新たな感染が確認されるにつれ、さらに厳しい状況に直面している。

  新型ウイルスを巡る安倍首相の中国への対応はトランプ米政権より穏健で、中国政府からは高く評価されている。安倍首相は日中関係が過去数十年で最悪の状態にあった2012年の第2次政権発足以来、その修復に取り組んでおり、今回もそうした流れと言える。

  米国やオーストラリア、シンガポールなどと異なり、安倍政権は中国からの入国拒否の対象を中国全土ではなく、湖北、浙江の2省にとどめている。感染拡大の中心地である湖北省から国民を退避させる行動は迅速だったが、現地へのチャーター便には中国への救援物資も積み込んだ。

  しかし、感染者が日本で増えるにつれ、安倍首相は従来の立場を維持するのが難しい点に気付くことになると考えられる。中国がもっと早く警告を出していれば感染拡大を抑えられた可能性を踏まえると特にそうだ。世界的な警告が発せられる前に多くの中国人客が日本各地を訪れており、日本での感染との関連性が指摘されている。日本では感染で3人の死亡が確認された。

  新型ウイルス感染拡大で日中関係の節目となる習国家主席の訪日計画に影響が出る可能性がある。沖縄県の尖閣諸島周辺で中国当局の船が確認される事態が続いていることもあって、与党内部からも習国家主席の訪日に反対する声が一部上がっている。読売新聞に今週掲載された全国世論調査によると、新型肺炎を巡る日本政府の対応を評価しないとの回答は52%に上った。17日公表された3報道機関の世論調査ではいずれも支持率が低下している。

Passengers Disembark Diamond Princess Cruise Ship After Quarantine Ends

横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号(2月20日)

写真家:大隅知宏/ゲッティイメージズ

原題:Abe Faces Backlash for Soft Approach to Virus-Stricken China(抜粋)

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