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日産・内田社長ら4人が取締役に、ルノーとの力関係に影響も

更新日時
  • グプタCOO、坂本副社長、ルノー推薦のフルーリォ氏も総会で承認
  • ゴーン時代から取締役会の構成は変化、パワーバランス判別しにくく

日産自動車は18日、横浜市内で臨時株主総会を開き、12月に就任した内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)ら4人を新たに取締役に選任する議案を承認した。

Nissan Slashes Full-Year Outlook Again With Dividend in Limbo

日産のロゴ(2月13日、横浜市)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  取締役への就任が決まったのは内田氏のほか、日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)と坂本秀行副社長、仏ルノーの筆頭社外取締役を務めるピエール・フルーリォ氏。

  日産とルノーが共同で推薦するグプタ氏はもともとルノー出身。ルノーが推薦するフルーリォ氏はフランス証券取引委員会や欧州の大手金融機関でキャリアを積んだ経歴を持つ。

  日産の独立性にこだわり、ルノーによる経営介入を強くけん制していた西川広人前CEOと日産生え抜きの山内康裕氏は今回の臨時総会を機に取締役を退任した。

  日産は世界的な販売不振に陥り、13日に今期(2020年3月期)の業績見通しを下方修正して期末の配当をゼロとすることを発表した。総会で内田氏は「今の状況は株主からも決してわれわれを許せる状況じゃないことも承知している」とコメントした。

  日産の本来の実力は「こんなレベルじゃない」と繰り返し述べ、顧客から「日産はやはりよかったといち早く言ってもらえるように覚悟をもって進める」との考えを示した。経営の立て直しについては「私がコミットさせていただく」と明言し、今後改善が見られない場合は「すぐに私を首にしてください」と述べた。

  総会は2時間40分にわたって続き、議事進行を問題視して内田氏の不信任を求める動議が起こされる場面もあったが反対多数で認められなかった。日産によると、今回の総会参加者は666人と、少なくとも2005年以降では最も少なかった。

大損

  総会に出席した株主の山田好秋さんは、「経営も悪いし、車も売れないし、株もかなり下がってしまったし、かなり大損している」といい、「しっかりと経営してもらいたいということしかない」と経営陣への期待を述べた。

  不正問題でカルロス・ゴーン元会長が失脚したころと比べて取締役会のメンバー構成は大きく変わり、新体制では大株主である仏ルノーとの間のパワーバランスに変化が生じる可能性もある。

  ゴーン元会長はかつてルノーの経営トップも兼務し、日産の取締役会で絶対的な権力を誇った。元会長の右腕だったグレッグ・ケリー元取締役とともに逮捕されて失脚した直後には、取締役7人のうちルノー出身者が2人まで減少し日産側の影響力が一時的に強まった。

  しかし、昨年4月にルノーのジャンドミニク・スナール会長が取締役会に加わり、リーダーシップを発揮するようになるとルノーの影響力が再び拡大。一時は日産に対して経営統合を求めるなど強硬な態度を見せ、両社の関係は悪化した。

  日産ではコーポレートガバナンス(企業統治)改善のために社外取締役を増やしていることもあり、以前と比べてルノーとの力関係が判別しにくくなっている。

(更新前の記事は訂正されています)

(個人株主のコメントや背景情報を追加して更新します)
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