コンテンツにスキップする

業績不振の三陽商会に身売り迫る、米アクティビスト-株価は急騰

更新日時
  • RMBキャピタルが昨年12月に書簡通じて会社売却を取締役会に提案
  • 資本が大幅に毀損しており、より大きな資本傘下で立て直しを求める

米アクティビストファンドのRMBキャピタルが、業績不振にあえぐ大手アパレルメーカーの三陽商会に対し、身売りを検討するよう求めていることが12日、分かった。三陽商側の対応次第では、5月にも開催予定の定時株主総会で株主提案を通じた取締役候補を立てる可能性もある。

  RMBは昨年12月、三陽商経営陣に対し、書簡で会社売却を提案した。ブルームバーグが入手した文書によると、希望退職の実施や、広告宣伝費増加などの戦略的投資にもかかわらず業績は回復せず、資本が大幅に毀損(きそん)したと指摘。優秀な社員などの価値ある資産を守るためのほか、成長に向けたさらなる投資が今後も不可欠とし、より大きな資本の傘下で長期的な事業立て直しを図るべきとしている。

  売却先候補について、文書では戦略的パートナーやほかのアパレルメーカーなどとし、具体名には言及していない。投資銀行などのアドバイザーを採用して会社側が検討すべき事項だとしている。三陽商・広報担当の岩崎麻佐子氏は、昨年12月に書簡を受け取り、今年1月に同社がRMB側と面談を持ったことを認めたが、対話の詳細についてはコメントを控えた。

  ブルームバーグの報道を受けて、三陽商の株価は一時前営業日比18%高の1512円まで上昇し、2015年5月以来の上げ幅となった。

  RMBの細水政和ポートフォリオマネジャーは、書簡に対する三陽商経営陣からの返答は提案に正面から答えた内容ではなく「満足いくものではなかった」と述べた。欧米では上場企業の経営陣が成長のために身売りを決断する例が少なくないとして「現経営陣が決断できないのなら、株主の一人として声を上げる。会社が変わるきっかけとなれば」と期待を示した。

  売却先について同氏は「個人的にはバーバリー事業で協業し、三陽商の主力ブランドの一つであるポール・スチュアートのライセンスを持つ三井物産や英バーバリーのほか、ワールドなどほかのアパレル企業が候補として考えられる」と述べた。

  三陽商は収益の柱だったバーバリーとの日本国内のライセンス契約が15年に終了。16年12月期以降、4期連続の純損失見込みとなっている。こうした事態を受け、決算期の変更により期間が14カ月となる20年2月期第4四半期決算(19年1月ー12月)では企業の存続に疑念を抱かせる状況を示す「継続企業前提の重要事象」が記載された。

  業績の先行き不透明感もあり、10日時点の株価は過去20年でピークだった06年の1万3310円から9割以上下落。株価純資産倍率(PBR)は0.38倍と解散価値の半分以下に沈んでいた。細水氏は適正な株価について「今の2倍程度が目安になるのではないか」と述べた。

三陽商会の株価、右肩下がりに

  また、細水氏は今後の戦略は未定だとしつつも、定時株主総会で取締役候補を提案する可能性を示唆。その場合は「事業売却を議論するために派遣するということで総会に諮る。承認されれば、株主の総意は会社売却に賛成ということになる」と述べた。ブルームバーグのデータによると、RMBは三陽商株式の5%強を保有する5位株主。

 

(3段落目に三陽商会のコメントを追加して記事を更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE