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日本郵政社長、現中期計画の数値目標は維持 - 成長戦略は21年度以降に

  • 成長戦略の柱の一つは不動産分野、M&Aで経営多角化を検討
  • 公益性と収益性のバランスを取った経営のかじ取りが問われている
Japan Post’s New CEO Puts Growth Aside to Fix Scandal-Hit Group
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Japan Post’s New CEO Puts Growth Aside to Fix Scandal-Hit Group
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本郵政の増田寛也社長は、2020年度の純利益目標を4100億円程度とした中期経営計画について、数値目標を含めて最終年度まで維持する方針を明らかにした。

Japan Post’s New CEO Puts Growth Aside to Fix Scandal-Hit Group

1月9日の記者会見での増田社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  増田氏は10日のインタビューで、かんぽ生命保険の不適切販売を理由に中期計画を変えることはせず、「基本的に維持する」と述べた。かんぽ生命の商品販売停止の影響も懸念されるが、「次の成長につながるネタ」を今年1年議論した上で、21年度からの次期中期計画で成長戦略を示す。

  かんぽ問題では、昨年7月以降の営業活動停止により事業費負担減少など一時的なプラス効果も出ているほか、郵政3事業でもコスト低減が進んでいる。19年4ー12月期の連結純利益は前年同期比5.8%増だった。

  増田氏は、ゆうちょ銀行での市場運用の高度化や地方銀行との連携などは引き続き進めるべきとの見方を示した。また、不動産分野は成長の柱の一つと位置付け、企業の合併・買収(M&A)によるグループ全体の経営多角化を検討していると述べた。

2018ー20年度の中期計画主な内容
日本郵便

郵便から荷物分野に経営資源シフト等

連結営業利益      900億円

連結純利益       650億円

ゆうパック取り扱い個数 17年度比2億個増

ゆうちょ銀行

オルタナティブ投資推進等

連結純利益      2800億円

総預かり資産残高   17年度比1.8兆円増

かんぽ生命

保有契約年換算保険料 4.9兆円程度

一株当たり純利益   155円

  全国に約2万4000局ある郵便局の統廃合については、すぐに局数を減らすのではなく、元総務相も務めた増田氏自身が自治体の半数が人口減により消滅すると推計した40年に向けて、適正配置の見直しを進めていく考えを示した。

  財務省が56.88%を出資している日本郵政は、民業圧迫の観点から経営の自由度が少ないことも問題となっている。増田氏は、公益性を重視しつつ収益性も確保するためのバランスが経営者として問われていると述べた上で、「与えられた法律の枠組みでやっていく」ことで、政府の持ち株売却につなげたいと語った。

  政府は22年度までに東日本大震災の復興財源4兆円の確保に向け、保有義務のある「3分の1超」までの日本郵政株の売却を目指していた。過去2回の売却では2.8兆円を確保。早ければ昨年9月の売り出しを検討していたが、かんぽ問題を受けて売り出しを見送る方向であることが明らかになっている。

  増田社長は、傘下のかんぽ生命保険の不適切販売問題を受けてグループトップが辞任したことに伴い1月6日付で社長に就任した。

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