コンテンツにスキップする

米エリオットがソフトバンクG株30億ドル取得、株価急騰

更新日時
  • ソフトバンクGの資産ポートフォリオを市場は過小評価-エリオット
  • エリオットは孫氏を含むソフトバンクG経営陣と協議-関係者

伝説的アクティビスト(物言う投資家)のポール・シンガー氏は、これまでで最も知名度の高い標的の1つに挑戦する。それは孫正義氏だ。

  事情に詳しい複数の関係者によると、シンガー氏率いるヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントソフトバンクグループ株を30億ドル(約3300億円)近く取得した。エリオットはソフトバンクGが世界で最も過小評価された企業の1つだと確信しており、アリババ・グループ・ホールディングやスプリントなどへの投資縮小により最大200億ドルの自社株買い資金を容易に調達できると受け止めている。

Key Speakers At The WSJDLive Global Technology Conference

ポール・シンガー氏

撮影:パトリック・T・ファロン/ブルームバーグ

  エリオットはソフトバンクG創業者の孫氏を含め同社首脳陣と協議したと関係者は話した。エリオットはソフトバンクGの純資産価値が2300億ドル程度になり得ると考えているが、「ビジョン・ファンド」を巡る懸念や、シェアオフィス事業のウィーワークによる昨年の新規株式公開(IPO)計画の失敗で、大幅に割安な水準で取引されていると見ている。

  ソフトバンクGの米国上場株は一時12%上昇した。エリオットによる株取得については米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じた。

独立性と多様性の向上

  関係者によると、エリオットはソフトバンクGの取締役会のポストを求めていないが、取締役会の独立性や多様性の向上を望んでいる。また、株価の足かせと見なすビジョン・ファンドでの投資プロセスを検証する特別委員会をソフトバンクGに設置させたい意向だという。

  エリオットの広報担当者は発表文で、ソフトバンクGへの多額の投資について、同社の資産ポートフォリオが市場で大幅に過小評価されているという確信を表したものだと説明した。正確な出資規模はコメントを避けた。

  ソフトバンクGの担当者は「当社に対する意見に関して株主と常に建設的な議論を続けており、当社の株価が非常に過小評価されている点には完全に同意する」と述べた。

  シンガー氏が取得した約30億ドルは、6日現在のソフトバンクGの時価総額9兆8787億円に対し3%に当たる。ブルームバーグのデータによると、ソフトバンクGの大株主は孫社長が22.13%とトップで、日米の金融・運用会社が上位に並ぶ。

  7日の日本株市場でソフトバンク株は買い気配で始まり、売買成立後は一時前日比8.2%高の5116円と大幅に4日続伸し、昨年8月以来の水準を回復した。上昇率は、自社株買い発表を受けた昨年2月7日(18%)以来の大きさとなった。

  ソフトバンクGがウェブサイトで公表する自社の保有株式から純負債を差し引いた1株当たり株主価値は1万2259円(6日現在)。同日の株価終値は4727円と、同社が主張する価値を6割下回っていた。

  M&A助言会社のカチタスの平井宏治社長は、「ソフトバンクGは失敗が多い故に、濡れ雑巾を絞る余地がある」と指摘。エリオットが株主提案をすれば、「パフォーマンスに不満な株主は賛同するだろう。株価の低いものを狙い、株を買い、手入れして売却するのがアクティビストの狙いだ」と話した。

原題:Singer Said to Build Stake Near $3 Billion in Son’s SoftBank (1) (抜粋)

(文末に株価情報などを追記します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE