コンテンツにスキップする

中国への渡航自粛呼び掛け、国内感染者数は17人に増加-政府

更新日時
  • 新型肺炎を1日から指定感染症に、WHO非常事態宣言受け前倒し
  • 入国管理強化、14日以内に湖北省滞在の外国人は入国拒否へ
A woman wearing a protective mask crosses a street in Tokyo on January 29, 2020.

A woman wearing a protective mask crosses a street in Tokyo on January 29, 2020.

Photographer: BEHROUZ MEHRI/AFP
A woman wearing a protective mask crosses a street in Tokyo on January 29, 2020.
Photographer: BEHROUZ MEHRI/AFP

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が対策を強化している。中国全土への「感染症危険情報」で、不要不急の渡航自粛を求めるレベルへ引き上げたほか、感染症法上の「指定感染症」とする政令を2月1日に施行する。外国人は感染者に加え、14日以内に湖北省滞在歴がある場合は特段の事情がない限り、同日から入国を拒否する。国内の感染者は31日、17人に増加した。

  外務省は31日、湖北省全域を除く中国全土を対象に「レベル2」(不要不急の渡航はやめてください)に引き上げた。武漢市を含む湖北省全域については、24日に「レベル3」の渡航中止を勧告。他地域は「レベル1」(十分注意してください)にとどめていた。

  米国務省も30日夜、世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言を受けて中国への渡航警戒レベルを4段階の最高である「レベル4」に引き上げ、米国民に渡航しないよう勧告した。

WHO緊急事態宣言、新型ウイルスで-米国は中国渡航回避を勧告

  政府は28日、新型コロナウイルス感染症を指定感染症に指定。WHOの宣言に伴い2月7日を予定していた施行日を前倒しした。 施行後は患者の強制入院や就業制限、感染した外国人の入国を拒否できるようになる。

  安倍晋三首相は午後6時過ぎに開いた政府対策本部の会合で、感染が確認できない場合でも、14日以内に湖北省滞在歴がある外国人や同省発行の中国旅券を所持する渡航者は「特段の事情がない限り、入管法に基づいて入国を拒否する」との方針も表明した。今後の対応についても「日本国内の感染防止に政府の総力を挙げる必要がある」とし、前例にとらわれず対応を進めるよう関係閣僚に指示した。

  外務省は31日、湖北省以外の中国在住者に対し、交通の制約が拡大する可能性に備え「日本への一時帰国を含む安全確保について検討することを勧める」とする「スポット情報」も出した。

  追加の財政支出に関し、安倍首相は参院予算委で「観光等への影響についてもよく見極めた上で、進展に応じて必要があれば予備費の使用も検討したい」と語った。

ウイルス感染者は17人に

  一方、日本国内のウイルス感染者は31日、17人となった。厚生労働省が発表した。新たに確認された3人のうち、千葉県の20代女性は既に感染が判明している奈良県のバス運転手と同じバスツアーに参加していた。20日ごろからせきや鼻水などの症状があった。残り2人は30代と50代の男性でチャーター機の第2便で30日、武漢市から帰国。発熱などはなく、症状のない感染者は4人となった。

  外務省によると、チャーター機では29日に第1便で206人、30日に第2便で210人、31日に羽田空港に到着した第3便で149人が帰国した。菅義偉官房長官によると、第2便に搭乗していた邦人のうち26人が体調不良で医療機関を受診。第3便では10人に体調不良がみられたという。第1便では当初、2人が検査を拒否していたが、その後検査を受けたことを加藤勝信厚労相が明らかにした。

JAPAN-CHINA-VIRUS-HEALTH

政府チャーター便で武漢から帰国した邦人を乗せたバス(30日羽田空港)

Source: Jiji Press/AFP via Getty Images

  当初1人8万円の負担を予定していたチャーター機の運賃について、茂木敏充外相は31日午前の衆院予算委員会で、政府が負担する方向で検討することを明らかにした。

帰国者の一時隔離求める声も

  新型肺炎については与野党から政府に対策強化を求める意見が出ている。立憲民主党の安住淳国対委員長は30日のインタビューで、国内で人から人への持続的感染は認められていないとしてきた政府の認識について「見通しが甘かったと言わざるを得ない」と指摘。31日の衆院予算委では山井和則氏(無所属)が、オーストラリアなどの例を挙げ、武漢市から帰国した邦人全員の一時隔離を検討するよう求めた。

  加藤厚労相はエボラ出血熱など「病原体が感染力が大変高い、致死性や重篤性が大きい」場合を除き、強制的な隔離は人権との関係で「慎重に検討しなければいけない」と述べた。オーストラリアは武漢からの帰国者を、同国領でインド洋にあるクリスマス島に一時隔離する計画で、米国もカリフォルニア州の空軍基地に運んだ。  

  自民党は同日午前、「新型コロナウイルス関連肺炎対策本部」の会合を開催。本部長の田村憲久元厚労相によると、出席者からは流行地域からの入国者で症状が出ていない人には強制措置ができないのは問題とする意見や、簡易検査キットの早期開発、ワクチン開発の予算確保などを求める声が出た。

日本国内での新型コロナウイルスの感染は計17例
  • 1例目(1月15日)は武漢市に滞在歴がある神奈川県在住の30代男性
  • 6例目(同28日)は滞在歴のない奈良県在住の60代男性バス運転手-日本人で初
  • 8例目(同29日)は6例目の男性運転のバスにガイドとして同乗していた大阪府在住の40代女性
  • 9例目(同30日)は政府チャーター便(第1便)で帰国した武漢市氏在住の50代男性-日本人で2例目
  • 13例目(同31日)は6例目の男性運転のバスにガイドとして同乗していた千葉県在住の20代女性
  • 4例は症状が出ていない-チャーター機で帰国
  • 他は来日していた武漢市など中国居住者や同市に滞在歴ある日本居住者
(第8段落に情報を追加し、更新しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE