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雨宮日銀副総裁、LIBOR公表停止まで2年弱「決して長くない」

更新日時
  • 膨大な作業が必要、関係者の認識共有も不十分
  • 代替金利指標の確定値、2021年半ばまでの公表目指す

日本銀行の雨宮正佳副総裁は30日、都内で講演と質疑応答を行い、2021年末のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の公表停止が迫る中、代替金利指標への円滑な移行に向けて金融機関など幅広い関係者の主体的な取り組みが重要と訴えた。円LIBORの代替金利指標として期待されるターム物リスク・フリー・レートの確定値を21年半ばまでに公表する方針も示した。

  雨宮氏はLIBORの公表停止を金融市場取引の「インフラストラクチャーに関するビッグイベント」と位置付け、残された2年弱の期間は「民間個別プレーヤーの業務見直しや顧客対応、市場慣行の見直しといった膨大な作業を踏まえると、決して長くはない」と指摘した。

  その上で、「関係者の間でこうした点の認識も十分共有されているとは言い難い」との認識を示し、「2年弱という時限性の中で金融機関だけでなく、事業法人も含めた幅広い関係者の主体的な取り組みが求められる」と語った。

  代替金利指標への移行作業は、システム対応や業務の見直しのほか、融資契約の改定に伴う貸し手と借り手の合意など多岐にわたると説明。特に「金融取引のハブ」となる金融機関に対しては、ユーザーへの情報提供も含めて「LIBORを参照する取引の見直しに必要な対応を率先して進めていくことが期待される」と語った。

  日銀が事務局を務める「日本円金利指標に関する検討委員会」は昨年11月に代替金利指標に関する市中協議を取りまとめたが、雨宮氏は「信頼性と頑健性を備えた円の金利指標を構築することは、わが国の金融システムの安定を維持し続ける上で不可欠のピース」と指摘。円LIBORは「ターム物リスク・フリー・レートへの円滑な移行が期待される」とし、その確定値について「21年半ばまでの公表を目指している」と述べた。

  日銀ではすでに、金融庁と合同で金融機関や証券、保険会社を対象にLIBOR利用の実態を把握するための調査を行っており、引き続き「金融庁とも連携して、金利指標改革をしっかりサポートしていきたい」と表明した。 

金融庁・日銀の実態調査の記事はこちらをご覧下さい

(雨宮氏の講演と質疑応答の内容を追加して更新しました)
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