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FOMC、金融当局は現状維持を続けるだろう-市場関係者の見方

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パウエル議長

パウエル議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg
パウエル議長
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

米連邦公開市場委員会(FOMC)は28、29両日に定例会合を開催し、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを1.50-1.75%で維持することを決定した。また米大統領選挙の年を迎え、当面は政策金利を据え置くことも引き続き示唆した。

  これについての市場関係者の見方は以下の通り。

◎当局のバランスシート拡大継続方針、ドル上昇リスク抑制-BMO

  米金融当局が十分と見なすまでバランスシート拡大を続けるとのパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が29日のドル相場の勢いをそいだと、モントリオール銀行(BMO)のグレッグ・アンダーソン氏は分析した。

  • バランスシート拡大を早期に「当局が終了し、ドル相場が急上昇するリスクはない」とアンダーソン氏
    • 「当局はドル上昇リスクの一部を取り除いた」
  • FOMC声明を受けて2020年の利下げ観測は低下したが、パウエル議長の会見中にトレーダーは利下げ観測を強めた

◎FOMCは債券に良い兆候、クレジットはアウトパフォーム-ジャナス

  米金融当局は低インフレ持続のため短期的には利上げが困難になるだろうと、ジャナス・キャピタル・マネジメントのニック・マラウツォス氏が29日のブルームバーグテレビビジョンとのインタビューで述べた。

  • 「構造的要因がインフレ率を低く抑えている」とマラウツォス氏は述べ、「リスク資産や債券にとって良い環境だ。それが大きく変わる環境には見えない」と指摘
  • マラウツォス氏は「今後1年で金利低下の可能性」を見込んでおり、今回のFOMCの結果は「資産クラスとしての債券とって良い兆候」とコメント
  • クレジットはアウトパフォームするだろうが「クレジットスプレッドのレベルは2019年のようには縮小しない見通しだ」

◎FOMC声明、政策維持続くとの見方に変更もたらさず-ミシュラ-F

  FOMC声明は、米金融当局が年内は政策金利を据え置くと示唆している状況から逸脱するとの見通しを高めるものでは全くなかったと、ミシュラー・ファイナンシャルで金利トレーディング・セールス担当マネジングディレクターを務めるマイケル・グラフ氏は指摘した。

  • 「米金融当局は現状維持を続けるだろう」-グラフ氏は電話取材で発言
  • 声明では新型コロナウイルスへの言及はなかった。同ウイルスによって世界の経済成長が抑制されるとの懸念を踏まえ、米国債の需要は支えられてきた
  • 同ウイルスを巡る懸念を主因に、市場は一定の緩和リスクをなお織り込んでいる
    • その結果、米国債は「引き続き買われる」だろう

◎FOMC声明、米国債市場を動揺させる内容ほとんどなし-シュワブ

  FOMCの最新の声明は、市場の既存の見方を裏付けるもので、企業の投資と輸出の弱さが消費需要の強さを相殺していることを認める内容だと、チャールズ・シュワブのチーフ債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏が指摘した。同氏の見解では、これは利回りを現状の水準から大きく動かすものではないという。

  • 新型コロナウイルス感染の状況が悪化し、アジアで景気悪化の確率が高まれば10年債利回りは現在の1.60%から1.50%に戻る可能性も
    • しかし、急激な低下は起こりそうになく、「そこまで低下するには、世界的なリセッション(景気後退)につながるとの懸念が本当に持たれなければならないと思う。そう言うのは時期尚早だ」とジョーンズ氏

◎パウエル議長はインフレ発言でハト派の扉開いた-280のウェア氏

  パウエルFRB議長は「必要なら利下げの可能性はあると市場が解釈するような形でハト派の扉を開いたままにしている」と280セキュリティーズのマネジングディレクター、ジェイソン・ウェア氏は指摘した。

  • 29日の記者会見でのパウエル議長のインフレに関するコメントは「当局がインフレの現状に不満なことを物語っている」とウェア氏が電話取材でコメント
  • 「そこに到達する唯一の方法は、経済を刺激することだ。つまり、パウエル議長の発言は、インフレ高進がない場合『そこに到達するために必要なことを当局は行う』という意味だ」
  • 「市場はそれをインフレのための利下げと解釈しているが、私の見方では、現状維持だと思う。金融政策が既にかなり緩和的だからだ」

◎米国債利回り低下、パウエル議長のインフレコメントで-USバンク

  USバンク・ウェルス・マネジメントの債券調査責任者、ビル・メルツ氏は29日、米国債利回りが低下しているのは、パウエルFRB議長が当局としてインフレ率が2%目標を「下回り続けていることに満足していない」とコメントしたことに反応したものだと語った。同氏のチームは1810億ドル相当の資産運用に携わっている。

  • 「われわれのベースシナリオは、当面は安定した目標レートだ」
  • 「しかし議長のコメントは、依然として利上げより利下げの可能性が高いというわれわれの見解を裏付ける」
  • 「経済データが底に達しつつあるためインフレ率は若干上向く可能性があるだろう。当局はインフレ押し上げという目的だけでは利下げを開始する用意はないと見受けられる」
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