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野村HD:10-12月業績も改善との見方、株価上昇の鍵はコスト削減

  • 債券トレーディング益計上や低迷するリテール部門が回復-専門家
  • 22年3月期までの3年間で1400億円のコスト削減計画の進展にも注目

野村ホールディングス(HD)は30日に2019年度第3四半期(10ー12月)決算を発表する。債券トレーディングでの利益計上や低迷していたリテール部門の収益回復などを背景に、業績は引き続き好調を保つとの見方が市場から出ている。

野村HDの純利益の推移

19年10ー12月期も改善傾向続くとの見方

出所:会社資料

注:単位は1000億円

  「マーケットが良かった」。ブルームバーグ・インテリジェンスの田村晋一アナリストは、低迷していたリテール部門での改善を予測する。19年10ー12月期は日米の株高という外部環境からも投信販売が好調だったと指摘。また、米国長期金利の変動を捉えた債券トレーディングでの利益も計上したとみる。

  野村HDのリテール部門の収益はここ数年苦しんでおり、19年4-9月期の委託・投信募集手数料は少なくとも過去10年では最も低い水準だった。

  ただ、永井浩二グループCEO(最高経営責任者)は昨年12月3日の投資家向け説明会で、国内リテール事業を担う営業部門の収益は10月、11月と回復基調にあり、11月の同部門の収益は今期(20年3月期)の中で最高を記録したと述べている。

低迷するリテール部門で回復か

委託・投信募集手数料の推移

出所:会社資料

注意:単位は10億円、20年9月期は第2四半期までの数字

  ホールセール部門の損益は大きく改善する見通し。前年同期には過去に買収した米リーマン・ブラザーズなどの海外企業の減損損失計上によって全体の純損益は953億円の赤字に陥った。減損の大半をホールセール部門の費用として計上した反動から、前年同期比で大きな増益要因になると見込まれる。

  19年10ー12月期の純利益について、モルガン・スタンレーMUFG証券は417億円と予想。前年同期と比べて1370億円の改善を見込む。

  野村HDの今期業績はトレーディング損益の改善やコスト削減の進展に加え、7-9月期に保有する野村総合研究所の株式売却益733億円を計上したこともあり、4-9月期の純利益が過去最高を記録した。 

  業績好調に加えて自社株買いの効果もあり、昨年9月以降の同社株価はTOPIXを上回る上昇率を示している。

2019年1月を起点とした株価騰落率

  一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の辻野菜摘シニアアナリストは6日付の投資家向けリポートで「自己株取得は2月半ばには終了する可能性が高く、株価モメンタムは失速するだろう」と指摘。さらなる株価上昇には「残るコスト削減効果がより明確になること」などが必要との見方を示す。

  野村HDは、前期の赤字転落を受けて昨年4月、22年3月期までの3年間で1400億円規模のコスト削減を実施すると発表。昨年11月末時点での進捗(しんちょく)率は6割強だった。 

  ブルームバーグ・インテリジェンスの田村氏も「コスト削減は4-6月期に大きく出たが、7-9月期にはほとんど出なかった」として、その動向に注目している。

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