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クレディSの米プライベートバンク撤退、再参入計画していた可能性

  • 15年の撤退、高給アドバイザー追い出した後に再参入する可能性残す
  • アドバイザーとの訴訟で公表された仲裁文書が示唆-クレディS否定

スイスの銀行、クレディ・スイス・グループが数年前、米国の富裕層向け資産管理事業から撤退すると表明した時、多くの人は全く信じ難いと受け止めた。当時、就任して間もなかったティージャン・ティアム最高経営責任者(CEO)が富裕層向け資産管理事業に同行の将来を賭けているというのに、世界最大の市場から撤退する理由が分からなかったからだ。

  ところが最近公表された文書により、同行が米富裕層向け事業を米銀ウェルズ・ファーゴに移管する準備を進める中でどのような意思決定をしていたのかが明らかになった。

  今回初めて報じられた内部電子メールと証人の宣誓供述書は、2015年当時、米富裕層向け資産管理事業の高給のアドバイザーの高い手数料が同事業の業績を圧迫していたため、クレディ・スイスの経営トップがこれらアドバイザーに移籍を促すことに躍起になっていたことを示している。さらに、同行が超富裕層顧客については関係維持に努めるとともに、報酬体系を変更して再び同市場に参入する可能性を残していたことも分かった。

  ティアムCEOは米富裕層向け事業からの撤退を発表した日の午前に書いた経営幹部宛ての文書で、「われわれはウェルスマネジメントに戻ることは決してないという合意は絶対していない」と説明した。

  ウェルズ・ファーゴへの移籍を断ったアドバイザーらは後払いの報酬の支払いが保留されたため、数十人が同行を提訴。その多くが仲裁手続きという非公開の場で争われているが、アドバイザー2人が関わる1件の訴訟で同行が敗訴し、先月上訴したため、多数の仲裁文書が公表された。

  クレディ・スイスはこれらアドバイザーの主張には根拠がないと主張。また、米富裕層向け資産管理事業への再参入計画についてはコメントを控えた。同行の広報担当、キャンディス・サン氏は、「この話には何の信頼性もない」とし、「当行は15年に発表したように、米プライベートバンキング事業から完全に撤退した」と語った。
  
原題:Credit Suisse Shed U.S. Private Bank With Designs on Reviving It(抜粋)

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