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米金融当局者の言動で浮き彫り、2%上回るインフレ容認の流れ

  • 一部当局者は2022年までの3年間で2%上回るインフレ率を予想
  • 「基本的に埋め合わせ戦略のアイデア」顕在化-ロベルト・ペルリ氏

米金融当局は2%の物価目標達成に向け、政策枠組みの見直しを進めている。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)は今年半ばの作業完了を予想しているが、当局者の一部は既に同目標達成のための手法を事実上シフトさせつつある様子だ。

  昨年12月に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)参加者による最新の経済予測では、2022年までの3年間で2%を上回るインフレ率を予想した当局者の数は7人に増えた。この事実は、目標を上回る物価圧力を意図的に生じさせようと狙っているシグナルであるように受け止められる。

  さらに最近では、インフレへの許容度が低いはずのタカ派の当局者の一部の発言にも、顕著な変化が見受けられる。具体的には、いったん物価目標を達成した後だけでなく、目標を上回るインフレとなっても時間的に余裕を持って見守る姿勢を表明している。

Low inflation means Fed has less room to cut rates in a recession

  マクロポリシー・パースペクティブズのジュリア・コロナド社長は「これは有意なシフトだ」と指摘。12年に物価目標を導入以降、ほぼ未達の状態が続いている米金融当局に対する人々の期待を変えることになるため、「当局者は大幅な変更と受け止められるよう望んでいると考えられる」と話した。

  しかし、口で言うだけなら簡単なのも事実。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が最近語ったように、「期待は言葉だけでなく、実際の行動次第」だからだ。

  金融当局の枠組み見直しの結果、物価目標未達の時期を考慮して目標を上回るインフレを一定期間容認する「埋め合わせ」戦略の正式採用といった、抜本的な変更を予想する向きはほとんどない。

  JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏をはじめとする一部識者は、米金融当局が採用するのは漠然としたものではないかと予想する。当局の行動を将来的に制約することなく、インフレ率を平均で2%に近づくように誘導するアイデアへの支持表明などが考えられるという。

  一方、コーナーストーン・マクロのパートナー、ロベルト・ペルリ氏は12月公表の当局者予想について、「基本的に埋め合わせ戦略のアイデア」が既に顕在化しているもので、「目標未達が何年か続いたため、先行き高めのインフレを望むと表明している形だ」との見方を示した。

原題:Fed Officials Subtly Shift Inflation Strategy Amid Review (1)(抜粋)

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