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物言う英ファンドが帝繊維に株主提案、配当引き上げと自社株買い

更新日時
  • 会社予想の約2倍の配当額、30億円の自社株買いを要求-AVI
  • 帝繊維は本業事業の拡大を通じて企業価値上げるとコメント

「物言う株主」として知られる英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は、3月末に予定される帝国繊維の定時株主総会に向け、配当額を会社予想の約2倍に引き上げることなどを求めた株主提案を行った。AVIによる帝繊維総会への株主提案は初めて。

  AVIのジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)は28日、ブルームバーグとのインタビューで帝繊維が保有する不動産開発のヒューリック株式が同社時価総額の4割弱と過大で、株主資本利益率(ROE)を押し下げていると主張。帝繊維の株主にとって「ヒューリック株の保有が非効率なことは明確だ」とし、株価低迷の原因にもなっている現状を是正する必要があると訴えた。

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AVIのバウエルンフロイント氏

Photographer: Ayami Yoshikawa/The Yomiuri Shimbun via AP

  株主提案は24日に送付した。期末配当を1株当たり76円と会社予想の40円と比べて1.9倍に増やす案のほか、28日の株価終値ベースで発行済み株式総数の4.6%に相当する30億円の自社株買いを提案。自社株買いのため、保有するヒューリック株式の10%の売却も求めた。

  バウエルンフロイント氏は今回の提案について「期末配当76円は配当性向50%。日本市場の水準からいっても極端ではなく、控え目な提案だ」と主張。賛同が得られなかった場合、「全ての株主にとって利益にならない。株主還元に真剣でないことが露呈することになる」と述べた。

  消防用ホースや防護服などを手掛ける帝繊維の広報担当者は、AVIからの提案を受け取ったとした上で、多発する自然災害の脅威から防災事業を通じて社会の安心安全を守り、事業領域の拡大と収益力の拡大を図るとコメント。社会貢献を通じて企業価値を高めていきたいとも語った。

  AVIの2019年末時点の帝繊維株保有比率は5.2%。日本企業約30社に投資しており、うち半数は対話を通じて自社株買いなどの企業価値向上に応じているという。

  バウエルンフロイント氏が帝繊維とともに最優先で対話を実施するとしていた東京放送(TBS)ホールディングスに関しては「方針は決めていない」としつつも対話の成果がなければ、6月の定時株主総会で株主提案を行う可能性があるとした。

  TBSに対しては18年、政策保有株式約650億円を売却し、株主還元することを求める株主提案を行ったが、総会で否決されている。

  29日の帝国繊の株価は一時前日比4.2%高の2479円まで上昇した。終値は同3.4%高の2459円。TBSホールディングスも一時、4.4%高まで上昇し、3.8%高の1941円で引けた。

(最終段落に株価を追加します)
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