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前田建、社外取締役3分の1超目指す-前田道路は同社の企業統治批判

  • 女性取締役登用にも意欲、TOB実施の前田道路とは親子上場状態に
  • 「ダイバーシティを取締役会に確保するのは大事」と前田建設社長

国内大手ゼネコンの前田建設工業は社外や女性の取締役を増やしていく。同社が株式公開買い付け(TOB)を実施している前田道路から社外取締役比率を含めた同社のコーポレートガバナンス(企業統治)体制を問題視する指摘がされていた。

  前田建設の前田操治社長は27日の都内でのブルームバーグとのインタビューで、将来的に社外取締役比率を現在の約17%から3分の1以上に引き上げていくことを目指すと述べた。また現在はゼロの女性取締役の登用についても意欲を示した上で、「ダイバーシティ(多様性)を取締役会に確保するのは大事」と語った。

  前田道路は24日、12人の取締役中、社外取締役が2人と「いまだ時流から遅れた体制を維持する」前田建設によって自社のコーポレートガバナンスが強化されるとは考えられないなどとして、同社によるTOBに反対の意見を表明した。

  コーポレートガバナンス・コードの導入などにより、日本における社外取締役比率は上昇する傾向にあり、社外取締役が全取締役の3分の1以上を占める東証1部上場企業は2019年時点で43.6%。

  前田建設は前田道路の株式を24.68%所有。先週発表したTOBでは事業シナジー創出などを目指してさらに最大26.32%を取得し51%を集めて連結子会社化を計画しているとした。一方、時価総額で前田建設を上回る前田道路は資本関係の解消を提案している。

  前田道路によると、同社が前田建設の意見として把握しているのは開示された内容だけで、それに対する意見は開示している。

  ガバナンスの観点から親子上場を解消する動きが一般化する中、前田建設はTOB成立後も前田道路の上場を維持する方針を掲げている。前田社長は「いま社会的には親子上場の問題があるという認識はしているし、将来的にはそういうことも考えていかないといけない」としたものの、上場廃止による前田道路の社会的信用や従業員の士気への懸念から、上場維持が現状では最上の選択と述べた。

  今回のTOBはアクティビスト(物言う投資家)の果たした役割についても注目を集めている。前田道路によると、前田建設が12月に作成した資料にはアクティビストによる道路へのTOBが行われる可能性があり、そのリスクを排除するために自社で実施したいと記載されていたという。

  前田社長によると、香港のアクティビストファンド、オアシス・マネジメントから前田道路にTOBを実施した場合、前田建設としてどういった対応をするかと11月頃に聞かれたという。その後、オアシスへの対応についても前田道路と議論をしたと述べた。

  しかし、前田社長はオアシスによるTOBの可能性が先週発表した自社のTOBのきっかけとなったとの見方については否定し、「本質的には事業シナジーの追求、ガバナンスの確立というのがTOBの最大の目的」と述べた。

  オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)はブルームバーグの問い合わせに対し、「前田建設と前田道路への投資家として、両社の過去1年にわたる収益とコーポレート・ガバナンスの重要な向上に向けた取り組みを称賛する」とコメント。また両社による過去9カ月間の「劇的な行動」は日本におけるコーポレートガバナンスがいかに速く向上しているかを証明していると述べた。

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