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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

「リフレ派」原田日銀委員の後任人事案、あす国会提示

更新日時
  • 政府は28日午前に国会同意人事案を衆参両院に提出-議運委
  • 原田泰審議委員は3月25日に5年間の任期満了を迎える
A cyclist passes the Bank of Japan (BOJ) headquarters in Tokyo, Japan, on Tuesday, Jan. 21, 2020. The Bank of Japan took a brighter view of the economy and left its main policy settings unchanged Tuesday, offering a further indication that it is unlikely to add to its stimulus.
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行の原田泰審議委員が3月25日に5年間の任期満了を迎える。政府は28日午前に国会同意人事案を衆参両院に提出する予定で、ブルームバーグが入手した資料によると、原田氏の後任人事案も含まれている。

  原田氏は、大胆な金融緩和政策によって経済成長と緩やかなインフレを目指す「リフレ派」の論客。大胆な金融緩和を提唱する原田氏の後任人事次第で、物価2%の早期実現に向けた政府の姿勢や、日銀内での金融政策運営の「量」を巡る議論に変化が出るかどうかが注目を集めている。衆院議院運営委員会の高木毅委員長によると、国会同意人事案は午前11時からの同委理事会に提出される予定。

  現在の日銀政策委員9人のうち、若田部昌澄副総裁と片岡剛士審議委員もリフレ派だ。原田氏と片岡氏は、現行のイールドカーブコントロール(YCC)政策の運営に反対票を投じ続けている。ブルームバーグがエコノミストを対象に9-15日に実施した調査では、回答した38人のうち76%が政府は原田氏の後任に再びリフレ派を指名すると予想した。

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日銀政策委メンバーの分類表

  安倍晋三首相に近く、過去の日銀政策委員人事で助言してきたとされる本田悦朗前駐スイス大使は、ブルームバーグの取材で「当然のことながら出口を急ぐような人は問題外。緩和積極派であることが大前提」と指摘。産業界やフィンテック、金融機関経営など「さまざまな分野に詳しい方が政策委員になると議論により幅が出る」とし、「従来型の産業枠、全銀協枠といった既成概念の枠の中でしか発想できない人は除外されるべきだ」と語った。

  バークレイズ証券の山川哲史調査部長は、原田氏の後任に金融政策運営に対して中立的な委員が選任された場合、「審議委員の分布の劇的な変化をもたらす訳ではないが、市場がその政治的な意図をくみ取る形で、中長期的な金融政策運営の経路に対する想定を修正する可能性は十分にある」とリポートで指摘した。

「量」的議論の変化も注目

  YCC政策における「量」的議論の変化も注目の的だ。金融市場調節方針の目標は2016年9月にマネタリーベース(資金供給量)から長短金利へ移行したが、物価が2%を安定的に超えるまで「マネタリーベースの拡大方針を継続する」との「オーバーシュート型コミットメントメント」が存在。昨年の保有国債増加額は15兆円程度に減少したが、年間80兆円の増加を「めど」とした買い入れ方針は掲げ続けている。

  量にもコミットすることで、為替市場などで緩和姿勢が後退したとの誤解が生じないようにする面があるが、量を重視するリフレ派の政策委員の存在も大きいとされる。原田氏は昨年12月の記者会見で、YCC政策での量の位置付けについて、景気悪化時に名目金利が下がる場合、「十分な金融緩和をしていると、そういう誤った政策をとらないためにも量は必要である」と量へのこだわりを示した。

  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、黒田東彦総裁の求心力の維持や低金利長期化による副作用議論の高まりを踏まえて「脱リフレのメッセージを政府が発してくる可能性がある」と見込む。その場合、すでに薄まっている量的な議論が一段と後退するとし、市場への影響も「長期金利が少し上がる可能性があるが、全体として大きな影響はないのではないか」とみる。

  原田氏は旧経済企画庁(現内閣府)や早稲田大学政治経済学術院特任教授などを経て、15年3月に日銀審議委員に就任した。日銀法では政策委員を再任することも可能となっている。

(見出しと第1段落で国会同意人事案に日銀分が含まれることを追加して更新しました)
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