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金融庁が相次ぐ「手数料ゼロ」に関心、ネット証券に影響確認へ

  • モニタリングの一環として実施、直ちに問題があるとは考えていない
  • 手数料引き下げは過当競争、収益には徐々に影響との見方も-専門家

インターネット証券各社が取引手数料「ゼロ」の方針を相次いで昨年末に打ち出したことを受けて、金融庁が動向に関心を寄せている。経営への影響などについて、各社との対話の中で確認する方針だ。同庁関係者がブルームバーグに対して明らかにした。

  昨年12月2日、auカブコム証券が信用取引手数料の撤廃を発表。同日には松井証券が全ての投資信託の購入手数料の無料にすると発表。SBI証券楽天証券などもすぐさま同様の無料化を打ち出した。さらに、手数料がかからない1日当たりの現物株取引金額の上限拡大やETF(上場投資信託)の取引手数料が無料となる銘柄数拡大なども各社が競って打ち出す事態となった。

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ネット証券の手数料引き下げ競争に金融庁が関心

  金融庁では提供するサービスの質が落ちなければ一般的に手数料の引き下げは消費者にとって好ましく歓迎すべきとしているが、持続可能なビジネスモデルの構築が各社にとって重要課題であることからも、収益への影響などについて確認していく方針だ。

  モニタリングの一環として行っている各社との意見交換を通じて、手数料引き下げの動きについても確認する。この関係者によると同庁では最近の手数料引き下げが直ちに問題を引き起こすとは考えていない。

  日本総合研究所マクロ経済研究センターの石川智久所長は、ネット証券による手数料引き下げは「過当競争」になりつつあり、収益には「ボディーブローのように効いてくる可能性がある」と指摘。ただ、ネット証券各社は投資助言サービスなどにも力を入れているとして「収益が急激に悪化するわけではない」との見方も示した。 

ネット証券各社による昨年12月の手数料引き下げの主な発表
  • auカブコム証券 
    • 2日 信用取引手数料を無料化
    • 10日 全ての投信販売手数料を無料化
    • 10日 国内ETFの取引手数料無料化を90銘柄に拡大 
    • 24日 国内ETFの取引手数料無料化を100銘柄に拡大
  • 松井証券 
    • 2日 全ての投信販売手数料を無料化  
    • 9日 株取引手数料の無料化を1日50万円以下に拡大   
  • 楽天証券 
    • 3日 全ての投信販売手数料を無料化 
    • 4日 ETFやREITなどの信用取引の手数料無料化
    • 10日 国内株手数料無料化を1日50万円以下に拡大 
    • 12日 国内ETFの取引手数料無料化を99銘柄に拡大
  • マネックス証券 
    • 3日 ETFやREITなどの信用取引手数料実質無料化 
    • 4日 全ての投信販売手数料を無料化 
  • SBI証券
    • 4日 全ての投信販売手数料を無料化 
    • 4日 ETFやREITなどの信用取引の手数料無料化
    • 9日 株取引手数料の無料化を1日50万円以下へと拡大 
    • 11日 国内ETFの取引手数料実質無料化を97銘柄に拡大
    • 11日 日計り信用取引手数料を実質無料化 

(注:日付は発表日ベース)

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