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日産はルノーの日産株保有下げ模索、対等関係で連合強化を-関係者

  • バランスの取れた資本関係にすることで両社はおおむね一致との見方
  • 日産のルノー株売却も視野、売却資金でアライアンス強化への投資も

日産自動車は筆頭株主である仏ルノーとの関係をより対等なものにしていくため、ルノーの日産に対する出資比率の将来的な引き下げを模索する方向で検討している、と事情に詳しい関係者が明らかにした。対等な関係を構築する一方、両社の協力関係はさらに強化していく。

Reaction In Japan To Carlos Ghosn's Attack On Accusations

横浜市の日産本社(9日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  匿名を条件に語った関係者は、三菱自動車を含めた3社連合(アライアンス)を強化するためにもよりバランスのとれた資本関係にする必要性があり、その点については日産とルノーとの間でおおむね意見が一致しているとの見方を示した。出資比率引き下げの時期など具体的な議論はまだ進んでいないという。

  3社連合を主導してきたカルロス・ゴーン被告が2018年11月に逮捕されて以降、業績の低迷する日産とルノーにとって関係改善と提携の強化が大きな課題となっている。現在ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%と相互に出資しているが、日産保有分には議決権がなく、同社内には資本関係の見直しを求める声もある。

  英紙フィナンシャル・タイムズは13日、ゴーン被告が12月末に日本から逃亡した後、日産がルノーとのアライアンス解消に備えて緊急対応計画を強化していると報じていた

新技術に対応

  関係者によると、電気自動車や自動運転などの次世代技術開発に向けた巨額な投資を単独で行うことはできず、両社ともアライアンスを解消する考えはない。両社が持ち合うお互いの株を売却してアライアンスを強化するための投資に使う可能性もあるとの見方を示した。

  43%を出資するルノーは日産にとって実質的な親会社にあたり、ルノーの出資比率引き下げは海外でも批判されている親子上場を解消する意義もあるという。

  日産広報担当の百瀬梓氏は「そのような議論を持つ計画はない」と電子メールで回答した。ルノーの広報担当者は日産との株式持合構造の見直しは優先事項ではないなどとする最近のスナール会長のメディア取材での発言を引き合いに出し、それ以上のコメントは控えるとした。

  株式市場では既にルノーによる日産株売却の可能性が取り沙汰されている。シティグループの株式アナリスト、アンガス・トゥイーディー氏は23日のリポートで、ルノーは資金逼迫(ひっぱく)のため日産の株式の一部を売却せざるをえないかもしれないと指摘した。

ゴーン元会長の逮捕後、日産とルノーの株価は大幅に下落

  ルノーのスナール会長は昨年4月、ゴーン元会長の不正問題で棚上げされていた両社の経営統合を日産側に再び求めていた。当時の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は株主総会でもルノーによる経営関与強化は「絶対にさせない」と抵抗する構えを示していたが、9月に退任していた。

ルノー会長の経営統合再提案、日産は強く反対-関係者

  ルノーが保有する全ての日産株を売却した場合、足下の株価だと約1兆1000億円になる計算だ。一方、日産が保有するルノー株を売却すれば最大2000億円程度の資金調達が可能になる。

  ゴーン被告の不正問題や日産のトップ人事を巡る混乱などで提携関係の強化に関する議論は遅れていたものの、3社は11月に経営効率化の推進で合意。戦略などを協議する場であるアライアンスオペレーティングボードに新たに事務局長を任命すると発表していた。

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