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スティープ化進まず、利回り曲線4年前に逆戻り-マイナス金利足かせ

日本国債の利回り曲線は4年前のマイナス金利政策の導入を背景に長期と超長期の金利格差が小さくなっている。

  ブルームバーグによると、残存期間10年と20年の国債利回り格差は8日に0.28%と、2016年7月以来の水準まで縮小した。10年-30年の利回り格差は17年に付けたピークから約半分の水準となり、世界的なリスク回避で金利低下が強まった昨年夏に続く、16年以来の0.4%割れが目前だ。

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  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、日本銀行が利回り曲線のスティープ(傾斜)化を促しても、「マイナス金利が続く限り、最終的には超長期ゾーンはフラット(平たん)化していく運命にある」と指摘する。

  日銀の黒田東彦総裁はマイナス金利政策を正当化する一方で、スティープ化を促す発言を繰り返している。21日の定例会見では「マイナス金利を含め、今のところ大きな副作用は起こっていない」とした上で、「イールドカーブコントロールの後、ちょっとフラット化し、また少しスティープ化してきたが、もう少し超長期金利が上がってもおかしくない」と述べた。

スティープ化策

  日銀は超長期債の買い入れオペで金利上昇要因となる減額を実施してきた。月間の購入額は3900億円程度と、16年9月の長短金利操作の導入前の1兆6000億円から4分の1まで縮小。昨年10月以降は残存25年超のオペをゼロにする可能性を示唆している。オペの対象銘柄も年初から20年物、30年物、40年物の新発債を全て除外。既発債に比べ需要のある新発債を市場に残して流通量を維持しているとみられるが、目立った効果は出ていない。

  三井住友DSアセットマネジメントの深代潤執行役員は、日銀の物価見通しはじりじりと下がっており、多少のオペ減額や口先介入をしても金利上昇は限られると説明。その上で、「国内投資家はマイナス金利では買いたくない。余った運用資金はプラス金利の長いところに向かわざるを得ない。にじみ出るように需要が出てくる格好だ」と指摘した。

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1年前と比べた国債利回り曲線の推移

Bloomberg

  一方、市場参加者からは、日銀は過度なフラット化を回避したいだけで、オペの減額余地が限られる中、黒田総裁が口先介入で凌いでいるとの見方が出ている。実際、新発20年債利回りがゼロ%に接近した昨夏に比べれば、日銀は超長期金利の大幅な引き上げに成功している。

  野村証券の中島武信シニア金利ストラテジストは、「日銀は大幅な金利低下を止めたいだけで、どこまで金利を上げたいとか、望ましいと考えるイールドカーブのめどのようなものはないだろう」と言う。

20年国債利回りの推移
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