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日電産決算に株式市場迷う、短期業績不振と駆動モーターの中長期期待

  • 株価は1.4%高で取引を開始、その後3.4%安と5カ月ぶり下落率に
  • 1ー3月期回復見込む声、駆動モーターの先行費用は来期まで継続も

日本電産の決算内容に株式投資家が迷っている。米中景気の不透明感や先行投資費用などから今期(2020年3月期)営業利益が下振れる見通しとなった半面、今後の業績底打ちに加え、駆動モーター事業の中長期的な成長期待が根強いためだ。

  24日の日本株市場で、日本電産株は前日比1.4%高と反発して取引を開始。その後下落に転じ、3.7%安の1万5000円と昨年8月26日(4%)以来、5カ月ぶりの下落率を記録した。

日本電産株の3営業日の日中足

  同社は23日、今期の連結営業利益計画を従来比6.7%減の1400億円に下方修正した。前期比では増益率が7.8%に縮小する。米国景気減速への懸念や中国の景気回復動向、イランなど中東の地政学リスクを理由に挙げた。営業利益の下方修正は昨年10月に続き2度目。想定為替レートは米ドルで105円、ユーロは125円を据え置いた。

  シティグループ証券の内藤貴之アナリストは英文リポートで、下方修正自体は驚くことではなく、産業機器やHDDで使われるモーターの収益の底が見え始めており、「1-3月にかけて徐々に回復する」と予想。ただし、駆動モーターの強力な需要を背景にした先行費用は来年度まで継続する可能性があり、「株価はすぐに弱まる可能性がある」との見方も示した。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤昌司アナリストは、電気自動車(EV)用駆動モーターの先行費用で「短期業績は厳しい」と分析。一方で、来期の業績改善と「車載モーターなどが中長期の業績拡大をけん引するとの見方に変化はない」としている。

  ブルームバーグのデータによると、日本電産を調査対象とするアナリスト22人のうち、強気の投資判断は18人、中立3人、弱気1人となっている。

今期の予想

  • 売上高予想1.55兆円、従来1.65兆円、市場予想1.63兆円
  • 営業利益予想1400億円、従来1500億円、市場予想1502億円
  • 純利益予想850億円、従来1000億円、市場予想1042.2億円

  永守重信会長は決算会見で、米中貿易摩擦の影響について想定内としながらも、「そう簡単に収束しない」との見通しを示した。ただ、「全体の景況感は底打ちした」とし、電気自動車(EV)用駆動モーターなど新たな分野に注力していく考えを強調した。

  19年10-12月の営業利益は、前年同期比15%増の327億円と市場予想(414億円)を下回った。車載向けが6.9%減少したものの、家電・商業・産業用は米企業のコンプレッサー事業を買収した効果もあり、83%増と大幅に増加。精密小型モーターも4.5%増と堅調だった。

  また同社は、500億円(発行済み株式の1.4%)を上限とする自社株の取得枠を設定した。期間は24日から来年の1月22日まで。 

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京都の日本電産本社

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

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