コンテンツにスキップする

日産ケリー被告は無罪の公算、ゴーン被告も無実との見方に-郷原氏

  • 特別背任裁判で21-22年まで妻と会えないことでゴーン被告逃亡決意
  • 検察への権限の集中が最大の問題、司法制度の見直しが必要

元検事の郷原信郎弁護士は22日、金融商品取引法違反の罪で日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告とともに起訴された日産元取締役のグレッグ・ケリー被告が無罪となる可能性が高いとの見方を示し、無罪判決が出ればレバノンに逃亡したゴーン被告も無実だったという見方が広まるだろうと話した。

Former Auto Titan Carlos Ghosn Addresses Media After Escaping Japan

レバノンで会見するゴーン被告(今月8日)

  郷原氏は日本外国特派員協会での会見で、有価証券報告書での報酬の過少記載で両被告が起訴された件について、逮捕が必要なほどの明白で重大な犯罪でないことは明らかでこうした件で「刑事事件が立件されたのは異常」と指摘。同罪ではゴーン被告が日本で無罪を勝ち取れた見込みは高く、ケリー被告も無罪になる可能性が高いと述べた。

  一方、ケリー被告と違いゴーン被告は日産の資金を私的に流用した会社法違反(特別背任)の罪でも起訴されている。郷原氏は今月13日、レバノンにいるゴーン被告とテレビ電話で対話。同被告が特別背任に関する公判が始まる2021年か22年まで妻や子供と会えないことになったことが逃亡を決意した理由だと説明したという。郷原氏はブログでゴーン被告が自身の逃亡の成功確率は75%と考えていたと語ったとしていた。

  郷原氏は日本では検察が起訴した案件の有罪率はほぼ100%で裁判も長期にわたることが予想され、そうした状況にゴーン被告が絶望したことがリスクを取っての今回の逃亡につながったとの見方を示した。

  「最大の問題は検察にあまりに権限が集中していること。検察官が強い権力を持ちすぎること」と述べ、今回の事件を契機に権限が集中しすぎる司法制度を見直す必要あるし、そうでなければ海外から日本の司法制度は信頼されないと指摘した。

Carlos Ghosn Confidant Nobuo Gohara News Conference

会見に臨む郷原氏(22日)

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

  ゴーン被告は先月、保釈条件で海外渡航が禁止されていたにも関わらず中東のレバノンへ逃亡。今月上旬にレバノンの首都ベイルートで開いた会見で自身の身の潔白を訴え、長期間の身柄拘束や妻キャロルさんとの接触制限などを挙げて日本の司法制度を改めて批判していた。

10時間超のインタビュー

  郷原氏は元東京地検特捜部の検事でゴーン被告の逮捕以降、メディアなどを通じて検察の捜査手法に関する批判を展開していた。郷原氏は4月に予定されていたゴーン被告の公判に向けて、昨年11月から12月にかけて同被告に計10時間以上のインタビューを行っていた。ゴーン被告が逃亡する直前の12月27日に最後のインタビューをしていた。

  ゴーン被告は郷原氏に対して、経産省などの日本政府の後ろ盾がなければ西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が知らないところで他の日産幹部が同被告に対する内部調査を行うことはできなかっただろうと述べたという。また日産は今後2、3年内に倒産するだろうとの考えも示していたという。日産広報担当の百瀬梓氏はゴーン被告の発言についてコメントを控えるとした。

  ゴーン被告の会見を受けて、森雅子法相は9日未明に異例の会見を開き、同被告は保釈条件に違反して逃亡したにもかかわらず、それを正当化するために日本の法制度や運用について誤った事実を主張しており「到底看過できるものではない」と述べていた。

  東京地検の斉藤隆博次席検事も9日の会見で、自白の強要が行われていないことは音声記録から明らかと述べるなど、ゴーン被告の批判に対して反論した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE