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黒田総裁任期の最終年度物価見通し、4月に公表-押し上げなるか

  • 総裁は23年4月に任期満了、次回展望リポートで22年度物価見通し
  • 1月リポートでは経済成長上方修正でも、物価は下方修正

日本銀行が21日の金融政策決定会合後に公表した新たな「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」は、2021年度までの見通し期間における全年度の経済成長予想を引き上げる一方、消費者物価は小幅に引き下げるという方向感の異なる内容となった。

  黒田東彦総裁は会見で、政府による経済対策の物価押し上げ効果は22年度以降に発現するとの趣旨の発言を行った。総裁任期の最後の年となる22年度までに物価が目標の2%に到達するのか、同年度の見通しは4月公表の次回の展望リポートで示される。

  総裁は物価見通しの下方修正に関し、各年度の物価見通しの下方修正幅は0.1%ポイントにとどまっているとし、「統計上の微小な振れの範囲。本格的に物価上昇率が下方修正されたのではない」とし、物価の先行き上昇していく基調自体が変わった訳ではないと説明した。

  ただ、総裁は昨年12月の会見では、経済対策について「当然、国内需要を下支えするあるいはその伸びを高める効果もある」とし、物価に対しても「需給ギャップの押し上げなどを通じてプラスの影響を与える」と指摘。今回、成長率見通しを引き上げる一方で、物価見通しを引き下げたことはちぐはぐな印象を受ける。

  総裁はこの点に関して、経済対策は「緩和的な金融環境と相まって景気の拡大基調を維持するために大きな意味を持つ」としながらも、需給ギャップの改善を通じた物価押し上げ効果は「タイムラグや感応度も考慮すると、見通し期間中に表れる効果はやや小幅にとどまる」と述べ、22年度以降に効果が表れる可能性に言及した。

  23年4月に2期目の任期満了を迎える総裁にとって、22年度は最終年度にあたる。任期中に物価が目標に達する可能性を問われた総裁は「任期と絡めて何かどうこう言うつもりはない」と受け流した。4月の展望リポートで示される同年度の物価見通しが経済対策も反映して2%に届くのかどうかは、需給ギャップのプラスの継続と改善が鍵を握る。

  今回の展望リポートでの消費者物価(除く生鮮食品)見通しは、19年度が前年比0.6%上昇、20年度が同1.0%上昇、21年度が1.4%上昇となっている。

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