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東芝機械急騰、旧村上ファンド系がTOB通告-新株発行で対抗も

更新日時
  • ガバナンス改善や株主還元策への期待集まる-アナリスト
  • TOB実施は21日から、東芝機械は60営業日の猶予求める

旧村上ファンド系の投資会社から株式公開買い付け(TOB)の通告を受けた東芝機械株が急騰した。TOBは21日から実施するとされているが、東芝機械は他の既存株主に新株予約権を割り当てる買収防衛策を発動する可能性がある。

  20日の株価は2008年10月以来の上昇率となる前営業日比19%高の3705円で取引を終了した。一時は21%高まで急騰した。

  17日夜の発表によれば、TOBを通告したのは旧村上ファンド系のオフィスサポート(東京都渋谷区)。同社はTOBを20日に公表し、21日から実施するという。オフィスサポートと共同保有者らは東芝機械の株式を計11.49%保有している。

  東芝機械は、TOBの是非を検討するため、趣旨説明書を受け取ってから60営業日の期間を設けることを求めており、守られなかった場合、他の株主に新株予約権を発行する。取締役会による恣意(しい)的な判断を防ぐため、独立社外取締役3人からなる独立委員会も設置した。

  TOBに関して実質的な協議を行っておらず、実施後の経営方針についても一切の説明がないと批判。TOBが同社の企業価値や株主の共同利益の最大化を妨げる恐れは否定できないとしている。

  会社法に詳しい柳田国際法律事務所の滝充人弁護士は、今後オフィスサポートがTOBを開始すれば、東芝機械は新株予約権の発行・行使手続きを進めてくる可能性があると指摘。オフィスサポート側は会社法が定めた株主平等の原則に基づき「新株予約権の発行の差し止めで争ってくることもあり得る」と話す。

  オフィスサポートからのコメントは得られていない。同社は18日に自社のウェブサイトを開設した。20日午後3時半現在は閲覧できない状態となっている。

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村上世彰氏

Photographer: Haruyoshi Yamaguchi/Bloomberg News.

  いちよし経済研究所の高辻成彦シニアアナリストはTOB実施や防衛策発動の有無は不明だが、投資会社による株取得で「ガバナンス改善への期待が先行した」と指摘。ニューフレアテクノロジー株売却で約100億円の特別利益を計上する見込みと前週公表した直後で、「自社株買いや配当性向引き上げなど株主還元策」に関心が集まったという。

  東芝機械は15.8%を保有していたニューフレア株について東芝が実施するTOBへの応募を表明し、東芝は17日にTOBの成立を発表した。ブルームバーグのデータによると、別の旧村上ファンド系投資会社のC&Iホールディングスがニューフレア株の3.21%を昨年12月20日時点で保有していた。東芝機械は既に東芝グループからは離脱している。

  旧村上ファンドは、通商産業省(現経済産業省)の官僚だった村上世彰氏が退官後に設立した投資会社。上場企業への物言う株主として市場で注目を集めたが、ニッポン放送株を巡るインサイダー取引の罪に問われ、11年に最高裁で懲役2年、執行猶予3年の判決が確定した。

  村上氏は現在、自身が創設した村上財団を通じて金融教育などに関する講演活動を行っている。一方、企業への投資活動は長女の野村絢氏のほか、旧村上ファンドの中核メンバーが設立したファンドに受け継がれた。

(今後の展開について弁護士の見解を追加しました)
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