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ゴーン被告が汚名返上で希望を託す、レバノン政財界の強力な人脈

  • 「苦難の中で私に味方してくれる国があれば、それはレバノン」
  • レバノン政府はゴーン被告を特別扱いに見えないよう腐心

元日産自動車会長でレバノンに逃れたカルロス・ゴーン被告は先週、ベイルートでの会見で自分を歓迎してくれる現地ジャーナリストらを前にアラビア語でこう述べた。「レバノン人であることを誇りに思う。このような苦難の中で私に味方してくれる国があれば、それはレバノンだからだ」ー。

  保釈中に日本を脱出し、幼少期を過ごしたレバノンに戻ったゴーン被告は、大統領をトップとする同国エリート層を味方に付けている。汚名返上を図る同被告は、影響力がある実業家や弁護士、当局者との深いつながりを頼りにしている。

Former Auto Titan Carlos Ghosn Addresses Media After Escaping Japan

ベイルートで会見するゴーン被告(中央、1月8日)

撮影:Hasan Shaaban / Bloomberg

  レバノンの政府当局者はゴーン被告に対する支援について、合法的に入国する市民として何ら特別なものではないと主張している。資産家でエリートの同被告を支えながらも特別扱いしていないように見せるのは、上流階級優遇に国民がへきえきしている同国では難しい綱渡りだ。深刻な景気減速に見舞われている同国では昨年10月、汚職抗議のデモの影響で政権が倒れるに至った。

  経営者として世界中を飛び回っていたころも、ゴーン被告はレバノンとのつながりを維持した。同国の主要銀行の一つ、サラダール・バンクの少数株を保有しているほか、北部のワイナリー・不動産プロジェクトの共同創業者でもある。

  レバノン政府や大統領府とも緊密だ。当局者らは東京で拘留中の同被告に面会したほか、裁判をベイルートで開くよう日本側に要請した。

  同被告を支援するレバノンの有力人物に、カルロス・アブ・ジャウデ弁護士がいる。自身の名を冠した弁護士事務所の創業者兼マネジングパートナーである同氏は、金融取引のとりまとめや政府の案件に携わったことがあり、産業界および政界に強いネットワークを持つ。

  また、アウン大統領は人口の約4分の1を占めゴーン被告も信者であるキリスト教マロン派を中心とする政党、自由愛国運動の創設者でもある。大統領の役割は従来儀礼的だったが、国軍の司令官だったアウン氏は2016年に大統領に就任すると、政策策定に影響力を持つようになった。現地報道によれば、ゴーン被告とアウン大統領はベイルートで面会しているが、両者とも公式に肯定も否定もしていない。

LEBANON-GERMANY-DIPLOMACY

アウン大統領

写真家:ジョセフ・イド/ AFP、ゲッティイメージズ経由

原題:
Ghosn Pins Hopes for Revival on Network of Lebanese Supporters(抜粋)

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