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シリコンバレーの富裕層を狙え-ウォール街、ブティック銀行と競争

  • シティやJPモルガン、BofAなどカリフォルニアの拠点強化
  • 変化好む土地柄、「守旧派」ウォール街は苦戦-VC関係者

シティグループの北米プライベートバンク責任者のトレーシー・ウォーソンは昨年、ニューヨークを離れサンフランシスコに転勤した。べイエリアで増えつつあるリッチな起業家やテクノロジー業界で財を成した新興富裕層を顧客にするためだ。

  「ここには別のエネルギーがある。ニューヨークでは市場のエネルギーを感じるが、ここではテクノロジーととイノベーションが感じられる」と同氏は話す。

Fire at San Francisco-Area Fuel Depot Prompts Alerts

サンフランシスコのダウンタウン

  他の銀行もこの躍動に気付いている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)やモルガン・スタンレードイツ銀行JPモルガン・チェースも高成長市場であるカリフォルニア州北部に人材や資源を投入しウェルスマネジメントチームを強化している。

  しかし、大手銀行はベイエリアで拠点を拡充してもなかなか受け入れられない。異なる思考と変化に高い価値を置くサンフランシスコでは、ウォール街は今でも「守旧派」と見なされていると、ベンチャーキャピタリストのアージュン・セティ氏が述べた。起業家と銀行員は服装からして違うという。

  「シリコンバレーでスーツとネクタイを付けた人間と会うと、インチキなものを売りつけられそうな気がする」と、ジーンズとパーカーを好むセティ氏は話した。

  服装はカジュアルだが、この地域には金がある。プライスウォーターハウスクーパースによると、昨年9月末までの1年間に米国で行われたベンチャーキャピタル投資1220億ドル(約13兆4300億円)の半分以上は、ベイエリアとシリコンバレーの企業に対するものだった。

  新規株式公開(IPO)もある。ブルームバーグがまとめたデータによると、昨年株式を公開したサンフランシスコ地域の14社は合計150億ドル余りを調達。ベイエリアの他の16社を加えると調達額は200億ドル以上になる。

Bay Area Billionaires

San Francisco has more billionaires per capita than any other city

Source: WealthX

  JPモルガンの北カリフォルニアのウェルスマネジメント部門責任者、クリスティン・レオン氏は、「業界の人間は誰でも、富が生まれている場所はここだと知っている。態勢を万全に整え、こうした起業家を早期から手助けしていきたい」と話した。そこに立ちふさがるのは多数のブティック企業だ。

  サンフランシスコに拠点を置くホール・キャピタル・パートナーズのような地元勢もいれば、大手から独立したバンカーが始めたブティックもある。元ゴールドマン・サックス・グループのディベシュ・マカン氏が設立したアイコニック・キャピタルは、昨年7月時点で約140億ドルの資産を管理し、188億ドル相当の案件について助言。マカン氏は初期に、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏、ツイッターのジャック・ドーシー氏らも顧客に抱えていた。

  新興企業の創業者が資産管理のアドバイスを求めると、セティ氏は通常、投資助言業者(RIA)を紹介するという。こうした業者も新興企業であり、「何でも知っていて何でも教えてやる」という態度の大手銀行より親しみが持てると同氏は説明した。

原題:
Wall Street Battles Upstarts in Hunt for Silicon Valley Rich (1)(抜粋)

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