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米中、商談成立にも取り組む-15日の「第一段階」貿易合意調印控え

  • 調印式には米中両国の企業幹部も参列すると関係者
  • トランプ大統領、第2段階の対中交渉を「直ちに」開始したい

米中両国は、第1段階の貿易合意に署名する15日の調印式に先立ち、企業側が長年取り組んできた商談をまとめようとしている。

  非公開の計画だとして複数の関係者が匿名で明らかにしたところでは、調印式には中国の劉鶴副首相率いる代表団のほか、両国の企業幹部も参加する。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁や鐘山商務相も出席するという。

  トランプ大統領は9日、ホワイトハウスで記者団に対し、第2段階の対中貿易交渉を「直ちに」開始したいと発言。ただ、11月の大統領選が終わるまではまとまらないかもしれないと述べた。

President Trump Meets With China's Vice Premier  Amid Trade Talks In Washington

トランプ大統領(右)と握手する劉副首相(2019年10月11日)

  関係者の一部によると、第1段階合意の文書に何が盛り込まれるかの詳細はほとんど明らかになっていないが、企業幹部らは合意への支持を表すため式典に参加する。より明確なのは、米中交渉が実を結びつつあることを示す取り組みだ。特に中国では数年越しのプロジェクトがようやく軌道に乗りつつある。

  中国は9日、同国の石油・ガス探査セクターを完全開放すると表明。8日には、米アメリカン・エキスプレス(アメックス)が中国の27兆ドル(約2960兆円)規模の銀行カード決済市場参入で大きなハードルをクリアした。

  中国は貿易戦争が続く中でも、かつてないペースで金融セクターの開放を進めてきた。こうした政策は、貿易で一方的に利益を得ているのは中国だとの米国側の批判への対応だとしばしば指摘されてきたが、国内事情が中国を動かしてきた側面もある。

  北京のコンサルティング会社トリビアム・チャイナの共同創業者、アンドルー・ポーク氏は「中国が市場を開放するのは貿易合意のためではなく、自国の利益になるからだ。そして、市場開放のタイミングを貿易交渉での政治的に便利な道具として利用している」と指摘。その上で、「発表し、大きく報道され、その後、尻つぼみになることはよくある」とも付け加えた。

  米中間には過去に注目を集めたものの、公約通り実現していない商談は多い。トランプ大統領の17年の訪中時には、2500億ドル規模の合意を発表。しかしその多くは形だけにとどまっている。中国の連連と合弁会社を設立後、2018年11月に同国での銀行カード決済事業の準備開始を外国企業として初めて許可されたアメックスは今週、同事業開始の申請が人民銀によって受理されたが、最終承認はまだ先だ。

  第一段階合意で米国にとって重要なのは、中国が向こう2年間に米からの物品・サービス輸入を17年水準から少なくとも2000億ドル増やすとの公約だ。トランプ政権としては、農産品だけでなく、エネルギーや製品、サービスの分野でも購入を拡大するとの確約を中国から得たという状況を示したい意向だ。

  また、JPモルガン・チェースやムーディーズなど金融サービスを手掛ける米企業は中国合弁の経営を巡り外資出資規制の変更を待っている。

  第1段階合意と同時に発表され得る取引について中国商務省に問い合わせたが、これまでに返答はなかった。報道官は9日、両国は引き続き緊密に連絡を取り合っていると語っている。ホワイトハウスは調印式の出席者リストは中国側とまだまとめている最中だと説明した。

原題:U.S., China Dust Off Corporate Deals Before Trade Pact Signing(抜粋)

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