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ゴーン被告が会見で言及の「東大の田中さん」、昨年12月に弁護団と会談

  • 被告逃亡後、弁護団から「裁判が続くことはないと思う」とメール
  • ゴーン被告会見で自身の名前が挙がったことに「びっくりしている」

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が8日、レバノンで開いた会見の中で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑での逮捕について「恥ずべきこと」と語ったと紹介された東京大学社会科学研究所の田中亘教授(会社法)は9日、昨年12月に同被告の弁護団と会い、起訴内容には疑問があるとの見解を述べたことを明らかにした。

  田中教授はブルームバーグの電話取材で、弘中惇一郎弁護士らが12月11日に研究室を訪問した際、東京地検特捜部が、退任後に受け取る予定の報酬額が決まっていたにもかかわらず約91億円分を有報に記載しなかったとしてゴーン被告を起訴したことについて、「疑問を持っている」と伝えたと語った。

Former Auto Titan Carlos Ghosn Addresses Media After Escaping Japan

レバノンのベイルートで会見するゴーン被告

  同教授は、日産は退職慰労金制度を廃止しているため、会社法361条に基づけば、ゴーン被告が退職後に報酬を受け取るには取締役会が決議して株主総会に提案し、承認を得る必要があると指摘したという。

The University of Tokyo Institute of Social Science Associate Professor Wataru Tanaka

田中教授

Source: Institute of Social Science, The University of Tokyo

  田中教授は、「不記載分が実際に支払われる可能性は高いとは言えない。まだ受け取っていない部分について受け取りが確定しているとは言い難く、虚偽記載の罪には問えないのではないか。会社法学者であればそう考えている人は少なくないと思う」と説明。

  会見でゴーン被告が自身の名前を挙げたことについて田中教授は「びっくりしている。12月に話したことなので、弁護団から聞いて印象に残っていたのではないか」と述べた。

  さらに同被告について「逃亡すべきではなかった。日本で裁判を受けてほしかった。出国については手続きに違反しており間違いなく犯罪だ」と指摘した上で、その問題と日本の司法制度の改善については分けて考えた方が良く、「人質司法」と批判されている現状については改善すべきだと考えていると語った。

  同教授は、公判で会社法解釈の専門家として意見陳述することや意見書を書くよう依頼されていたが、ゴーン被告の逃亡後、弁護団から「裁判が続くことはないと思う」とのメールが届いたため、「依頼はキャンセルされたと理解している」と話した。 

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