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日本郵政社長:「まずは足元固める」、民営化による成長路線封印

更新日時
  • 新しく生まれ変わらなければならない時期、組織としての形態整える
  • 総務省情報漏洩問題は調査する方針、官民癒着あれば企業価値を毀損
Japan Post CEO Masatsugu Nagato News Conference on Insurance Unit Scandal
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Japan Post CEO Masatsugu Nagato News Conference on Insurance Unit Scandal
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本郵政の増田寛也社長は9日記者会見し、「私に与えられたミッションは、マイナスをどうゼロに戻すかということだ」と述べた。民営化に向けての成長路線については「今はそちらを封印して、まずは足元を固めることに専念したい」との考えを示した。

  傘下のかんぽ生命保険の不適切販売問題を受けてグループ3トップが辞任したことに伴い、増田氏は6日付で社長に就任した。この日は日本郵便の衣川和秀新社長、かんぽ生命の千田哲也新社長とともに会見を開いた。

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会見に臨む増田社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  冒頭で増田社長は、信頼を裏切り、不利益を生じさせたことを陳謝。日本郵政グループにとって「創立以来最大の危機」であり、「新しく生まれ変わらなければいけない時期だ」と述べた。

  その上で「民営化は確実に、できるだけ早く推進していかなければいけない。そのことによって経営の自由度は増す」としながらも、「今は不祥事が起きて、民営化以前に組織としての形態を整えることが先」と語った。

  金融庁は昨年12月、かんぽ生命と日本郵便に対し、かんぽ生命の保険商品の販売を今年1月1日から3カ月間停止することを命じたと発表。親会社の日本郵政に対しても、ガバナンスの改善を求めるなどの業務改善命令を出した。3社に1月末までに業務改善計画を提出することを求めた。

  一連の問題を受けて、政府は今年度内にも予定していた日本郵政株の売り出しを見送る方向であることが、すでに明らかになっている。現在、日本郵政株の56.88%を財務省が保有している。

  また、総務省事務次官から行政処分の検討内容を事前に得ていたとされる問題について、増田社長は官民癒着が起きているとすれば企業価値の毀損(きそん)につながるとして、調査する方針も示した。前任の長門正貢社長は情報を受け取っていた前上級副社長の鈴木康雄氏が退任することを理由に調査する意向はないとしていた。

  かんぽ生命による保険の不適切販売では、外部弁護士による特別調査委員会が昨年12月18日に報告書を公表。法令や社内規則に違反した疑いのある事案は1万2836件で、背景には営業目標達成のために、上司が問題のある販売員を厚遇するなど不適切な募集を黙認する風潮が形成されていたとも指摘した。疑わしい契約案件の調査は全て完了しておらず、違反件数はさらに拡大する可能性もある。

(増田社長のコメントを追加して記事を更新します.)
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