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日本株の見通し分かれる-中東不安で調整懸念、経験則では買い場とも

  • 日経平均の当面の下値めどは2万2000円近辺-三菱U国際・石金氏
  • 過去5回の中東情勢から株価影響大きくない-ニッセイAM・松波氏

ことしの大発会から大きく動いている日本株。米国とイランを巡る地政学リスクの高まりから短期的には一段安を見込む声が多い中、冷静な声も聞かれる。

  日経平均株価は大発会6日が一時前日比508円安、7日が同372円高、イランが米軍駐留基地にロケット弾を発射して報復を開始した8日は午前終了までに同624円下げ、昨年11月以来の2万3000円割れとなった。オプションから算出した将来の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時27%上昇して19.19と、昨年10月3日以来の高水準。景気や企業業績の底入れ期待を背景とした昨年末までの上昇基調に変調が出ている。

低下基調から反転の兆し

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは、中東情勢が深刻化してもし原油が長期的に高騰すれば「コスト高で世界の成長センターであるアジア諸国が打撃を受け、世界経済全体に悪影響が及びかねないことが株価反応の大きさにつながっている」と話した。過熱感解消の側面もあり「調整は2-3カ月程度かかるのではないか」と同氏は読む。

  インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫グローバル・マーケット・ストラテジストも「米国の対応、イランサイドでどの程度の攻撃を続けるかにもよるため、当面は不透明感が晴れない」とし、株価は「上下する」とみている。

  三菱U国際の石金氏は日経平均は200日移動平均線と80日線の間で下げ止まることが多いとし、当面の下値めどを2万1897-2万2820円と試算、2万2000円割れも想定する。

  一方、「過去の中東情勢悪化局面から判断すると、中期的には米国株への影響は大きくない。きょうの株価の下げは過剰反応だ」と語るのはニッセイアセットマネジメント運用企画部の松波俊哉チーフ・アナリスト。現在はシェール革命で米国の原油の中東依存度は2割程度に低下、極端な原油高は想定しづらく消費者マインド悪化にもつながりにくいと分析する。

  同氏によると、イラン革命、湾岸危機、イラク戦争、イスラエルのレバノン空爆、アラブの春という5つの大きな中東情勢イベント時に、前月末の米S&P500種株価指数に対して3カ月後に下落したのは湾岸危機だけで、他の4回はプラス圏だった。6カ月後では、湾岸危機でさえ小幅なマイナスにとどまったという。シェール革命以前でさえイベントの影響が大きくなかった経緯から、「良い買い場が来た」と松波氏はみている。

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