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森法相、ゴーン被告の出国記録ない-不法出国は犯罪で正当化できず

更新日時
  • 「不正な手段を用いて不法に出国」-森法相
  • 最初「絶句した」、日本政府として威信かけて対応-菅官房長官
カルロス・ゴーン被告

カルロス・ゴーン被告

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
カルロス・ゴーン被告
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

森雅子法務相は6日、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が中東のレバノンに逃亡した問題をめぐり、詳細な出国方法については捜査中の案件で具体的な言及は控えるとした上で「出国した記録はなく、不正な手段を用いて不法に出国したものと考えている」と述べた。

  ゴーン被告の逃亡後、森法相は初めて記者会見し、不正な出国は犯罪であり、司法制度への批判があったとしても逃亡を正当化することはできないと述べた。

Japan Justice Minister Masako Mori Briefs Media On Carlos Ghosn's Escape

会見をする森法務相

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日本の刑事手続きに対する批判があることは承知しているとした上で、「各国の刑事司法制度にはさまざまな違いがあり、それぞれの国において制度全体として機能するように成り立っているので、制度全体の在り方を考慮せずに個々の制度にだけ焦点を当てて単純に比較することは適切でない」との認識を示した。

  同被告が出国する際、プライベートジェット機の機内持ち込み荷物が空港でのエックス線検査を受けておらず、積み込まれたケースに隠れて出国した可能性があると報じられたことに関し、法務省の所管の範囲外としてコメントを控えたが、「同様の事態を招くことがないよう措置を取っている」とも述べた。

  菅義偉官房長官は同日夜、BSフジの報道番組「プライムニュース」で、ゴーン被告の国外逃亡を最初に聞いた際に「絶句した」と述べるとともに、不正な手段を使って出国したものであり、「極めて遺憾だ」と指摘した。

  その上で「わが国の司法制度は適切に運用されている」としながらも、「こうした事態が発生したのは事実なので事実関係を解明した上で二度とこうした事態が起きないよう対応する」と説明。さらに日本政府の威信をかけて取り扱うべきかとの質問に対して、これだけの大きな案件なので「当然そう思う」と語り、全力で対応していく決意を示した。

  今春にも開かれる見通しだった初公判に備えていたゴーン被告は、保釈条件で海外渡航が禁止されているにも関わらず、先月末ひそかに日本を出国した。同被告は日本出国後の声明で、「私は正義から逃れたわけではない」とし、「不公正と政治的迫害から逃れたのだ」と表明した。

  森法相は5日、ゴーン被告について「何らかの不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられ、このような事態に至ったことは誠に遺憾」とのコメントを発表。関係当局や関係国、国際機関と連携し日本での刑事手続きが適正に行われるよう措置を講じる方針を示していた。

  また、同相はゴーン被告に対する保釈がすでに取り消されているとともに、日本政府の要請で国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)がゴーン被告の身柄拘束を求める「赤手配書」を発行したことも明らかにしていた。

  一方、日本と犯罪人引き渡し条約を結んでいないレバノンはゴーン被告の身柄引き渡しを拒否する姿勢を示している。レバノンのセルハン暫定法相はインタビューでゴーン被告の不正疑惑はレバノン当局が捜査することになるとの考えを示した。ICPOが手配書を出したことを受け、レバノン検察は今週ゴーン被告の事情聴取を行う見通しだと時事通信が報じた。

  ゴーン被告の広報担当者は、同被告が日本時間の8日午後10時にベイルートで記者会見を開く予定であることを明らかにした。

与野党の幹部も反応

  自民党税制調査会の甘利明会長は5日のフジテレビ番組で、ゴーン被告が「日本の司法が間違っている。だから違法な行為をして出てもいいんだ」という感覚でやっているように感じると発言。「こんなことが許されたら日本の司法制度が冒瀆(ぼうとく)される」とし、「情緒論に流れないよう、論理的、理性的にきちっと説明する必要がある」と強調した。

  国民民主党のウェブサイトによると、玉木雄一郎代表は4日の年頭会見で、ゴーン被告の逃亡について「日本の出入国管理はいったいどうなっているのか。司法のあり方はどうなっているのかということの根本に疑問を投げかける問題」だと述べ、政府に事実関係の説明を求める考えを明らかにした。

  立憲民主党のウェブサイトに掲載された記録によると、枝野幸男代表も同日の会見で、「こうしたことを許してしまったことは日本の出入国管理体制にとって大変恥ずかしい事態」だとし、早急に対応するよう求めていく方針を示した。

(菅官房長官のコメントを追加して記事を更新します)
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