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Photographer: Iran International Photo Agency/Getty Images Europe
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イラン、ウラン濃縮に関するいかなる制限も受けないと表明

更新日時
  • 米軍の空爆によるイラン革命防衛隊司令官殺害の波紋広がる
  • 安全資産に対する需要高まる-中東地域での地政学的緊張で
This handout image supplied by the IIPA (Iran International Photo Agency) shows a view of the reactor building at the Russian-built Bushehr nuclear power plant as the first fuel is loaded, on August 21, 2010 in Bushehr, southern Iran.
Photographer: Iran International Photo Agency/Getty Images Europe

先週の米軍の空爆によるイラン革命防衛隊司令官殺害の波紋が広がっている。イランはウラン濃縮活動に関し、一切制限されることはないと表明した。一方、この空爆が行われたイラクでは、議会が政府に対し米軍の国内駐留を終わらせるよう求めた。

  2015年のイラン核合意について5日の半国営ファルス通信は、「イランはもはや、核プログラムの運用面におけるいかなる制限も順守しない。それにはウラン濃縮能力や濃縮度、濃縮ウランの貯蔵量、研究・開発が含まれる」とする政府の声明を伝えた。トランプ米政権は18年に同合意を離脱した。

  他方、イラク議会は5日、首都バグダッドでの米軍の空爆によるイランのソレイマニ司令官殺害を主権侵害と非難し、過激派組織イスラム国(IS)掃討のため認めた外国部隊の駐留を終わらせるよう求める決議案を可決した。イラクのアブドルマハディ首相は議会で演説し、「イラクと米国の間の信頼関係が揺らいだ」と語った。同首相は後任が決まれば辞職することとなっている。

Iraqi parliament decides to expel US troops

外国部隊の駐留について協議するイラク議会(1月5日)

  トランプ大統領は5日遅く、一段と強硬な姿勢を示した。大統領専用機「エアフォースワン」内で記者団に対し、イランがソレイマニ司令官殺害への報復として米国人や米施設を攻撃した場合、文化財を含む52カ所を攻撃する意向だとあらためて発言。またイラクに対しては、米軍が同国からの撤退を強いられ、イラクが軍事基地の建設費用を補償しなければ、同国に厳しい制裁を科すと警告した。

  フロリダ州から戻る機内でトランプ氏は「イラクには法外な費用を要した空軍基地がある。私の任期のかなり前に行われた基地建設には巨額の費用がかかった。イラクがこの費用を支払わない限り、われわれは去るつもりはない」と発言。「駐留米軍の撤退が要請され、非常に友好的な実施の運びとならなければ、われわれはかつてないほどの制裁を科すことになるだろう」と付け加えた。

  アジア時間6日午前の外国為替市場では円が上昇。金現物相場は6年ぶりの高値を付けた。中東地域での地政学的な緊張の激化で、安全資産に対する需要が高まった。米株価指数先物とアジア株が下落した一方、北海ブレント原油先物は上げ幅を拡大し、1バレル=70ドルを突破した。中東の主要株価指数は5日に軒並み下落、サウジアラビア債の保証コストは急上昇した。

  北大西洋条約機構(NATO)はストルテンベルグ事務総長の要請により6日にブリュッセルで臨時の大使級会合を開き、中東情勢を話し合う予定。ロイター通信が5日遅く報じた。

relates to イラン、ウラン濃縮に関するいかなる制限も受けないと表明

殺害されたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官の追悼行進(1月5日)

  米国務省のオルタガス報道官は電子メールで送付した発表資料で、「きょうイラク議会が取った行動に米国は失望している」と表明。「われわれは今日の決議の法的性質と影響がより明確になるのを待つものの、イラク首脳が現在の両国の経済・安全保障関係の重要性をもう一度考えるよう強く求める」と強調した。

  ポンペオ米国務長官はCBSテレビの番組「フェース・ザ・ネーション」とのインタビューで、アブドルマハディ首相が先に辞意を固めたのは、「イラク政府の主権を行使する能力と独立に対してイランが著しく介入したためだ」と発言。ISに対する米国の作戦は「イラク国民を守るためのものであり、米国の利益にもなる」と述べた。

  ペルシャ湾岸アラブ諸国は、米国に報復すれば中東全体が軍事的緊張に陥ることになるとして報復を抑え込もうとしているが、イランを後ろ盾とするレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの指導者ナスララ師は、米軍と基地を攻撃する意向を示した。

  IS掃討作戦を担う米国主導の有志連合は、兵士が駐留するイラク国内の軍事基地の安全を確保するため作戦と訓練を中断したことを明らかにした。

原題:Iran Says Not Bound by Nukes Deal in New Soleimani Fallout (4)(抜粋)

(トランプ大統領のコメントなどを追加して更新します.)
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